研究課題/領域番号 |
07551001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 立命館大学 (1996) 北海道大学 (1995) |
研究代表者 |
川端 康弘 立命館大学, 文学部, 助教授 (30260392)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 光学系装置 / グラフィックディスプレイ / 色覚 / 色システム / コントラスト感度 / 空間解像度 / 画像処理ツール / 順応レベル / グラフィックCRT / 正弦波 / 自動測色システム / ビデオボード / フレームバッファ / 液晶リターダー / 色のCSF |
研究概要 |
人間の視覚情報処理の初期過程における色処理システムおよび輝度(明るさ)処理システムの時空間的特性を包括的に検討するには、様々な指標を検討する必要がある。このテーマに沿って研究を進めて行くには、Maxwell光学系装置に特有のいくつかの技術的な問題点を解決する必要があり、それに対処するために補助申請したのが本研究である。これまでの我々の実験に用いられた刺激光は、Maxwell光学系装置により呈示された。この装置は刺激光の分光特性などを厳密に制御でき、色覚研究には適しているが、刺激光の時空間的強度分布を体系的に制御するのは困難な場合が多い。一方で、高解像度グラフィックディスプレイ(以下GDと略)は、比較的容易に空間的強度分布を体系的に制御することができるため、複雑な刺激布置を持つ刺激の提示に有利である。しかし欠点は、光強度の変調に制限があることと、提示可能な色の飽和度に限界があることである。このようにMaxwell視光学系装置とGDは、それぞれ異なる利点と欠点を持つ。我々はこのような2つの装置を統合することによって、互いの欠点を補い、今までより優れた実験環境を構成した。初年度は、GDを制御する画像処理のためのソフトウエアの開発に重点が置かれた。申請者は、これまで心理学実験をコンピュータ上で行うための開発を進めてきた。その中でも画像処理ツールは、実験ライブラリイの重要な要素である。最近コンピューター上での画像処理技術におけるハード面での進歩が得られるが、この進歩に対応した画像処理ツール及びそれを用いた実験プログラムパッケージの一部をこの研究で開発した。次年度はこのパッケージを利用して、実際に実験データを収集した。我々は視覚系の空間的な情報処理過程に色検出機構の特性が重要な影響を及ぼすと考えている。ここでは等輝度事態での色の空間コントラスト感度(CSF)を検討した。色システムの順応レベルと色の空間特性について扱った研究はあまり無いので、今後様々な指標を用いて色システムの空間情報処理能力を測定することが、視覚系全体の機構を明らかにしていくためにも必要である。色順応レベルと色の時空間的処理能力の関係を体系的に検討するには、このような新しい実験環境での心理物理学的測定が非常有効であることが実証された。今後引き続き組織的なデータの収集を行う。
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