研究課題/領域番号 |
07554007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 正 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60004503)
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研究分担者 |
枝松 圭一 東北大学大学院, 工学研究科, 助教授 (10193997)
張 紀久夫 大阪大学大学院, 基礎工学研究科, 教授 (60013489)
千葉 徳男 セイコーインスツルメンツ(株), 技術総括部, 主任研究員
鈴木 吉朗 東北大学, 工学部, 講師 (80133932)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
21,400千円 (直接経費: 21,400千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1995年度: 15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
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キーワード | 光STM / 走査型近視野顕微鏡 / 半導体メゾンスコピック粒子 / ナノスケール分子 / 表面減衰波 / フォトニックバンド / ラッテクス結晶 / 光ファイバープローブ / 半導体メゾスコピック粒子 / ナノスケール分光 / ラテックス結晶 / フォトニックハンド / フオトニックバンド |
研究概要 |
本研究では、光STM(走査型近接場光学顕微鏡、SNOM)の試作と装置の有効性の検証を行うことを目的としている。具体的には、AFMの機能を兼ね備えた光ファイバーローブ型のSNOM装置の試作、低温で動作し得る装置の開発、光プローブの改良、微粒子配列結晶を用いたモデル物質の測定を行った。動じに非局所応答理論を用いて半導体超微粒子集合系の近接場光学応答と像形成機構を研究し、以下のような成果が得られた。 1.サブミクロの色素ドープポリマー球を2D配列させて試料について透過・発光像の光STM(SNOM)観察を行った。2D配列中に指向性をもって広がる非局在電磁波モードの確認と、共鳴・非共鳴条件下がのパターンの変化を測定し、像形成過程についての知見を得た。また、照射、集光両操作モードにおける光学像の観察から時間反転について議論した。また、有機蛍光体DASTにおいて、サブミクロンスケールの微結晶形状と発光スペクトルの同時計測が可能となった。2.真空仕様のSNOM装置の動作試験に成功した。液体窒素温度での測定が可能な装置へと改良中である。3.光学測定の波長帯及び低温測定の装置構成上の制約となる「光てこ」を止め、自己検出化するために音叉型水晶振動子と光ファイバープローブの組み合わせを考案し、これにより従来と同程度の鮮明な像測定が可能となった。この水晶振動子は、極低温中でも動作可能であることを確かめた。4.共鳴条件下のSNOM像を理論的に計算する際に、誘起分極の共鳴部分だけでなく非共鳴部分をも考慮する必要がある。非局所応答理論を再定式化し、これを用いてSNOM像のモデル計算とその操作モード依存性を計算した結果、強い操作モード依存性をもった信号像が得られた。これは各操作モードにおける信号強度の定義と配置共鳴効果(プローブ端の位置に依存した全系の共鳴条件の急激な変化)を考慮することで解釈できる。5.以上、光STM(SNOM)による単一及び配列微結晶のナノスケール空間分解分光の有効性が理論、実験の両面から検証されたことにより、ナノ構造物質のサイズ、形状を選別した光物性研究への発展が可能となった。
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