研究課題/領域番号 |
07554056
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
毛利 信男 東京大学, 物性研究所, 教授 (40000848)
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研究分担者 |
村山 千壽子 東京大学, 物性研究所, 教務職員 (80174316)
竹下 直 東京大学, 物性研究所, 助手 (60292760)
石本 英彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (60044773)
高橋 博樹 東京大学, 物性研究所, 助手 (80188044)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 多重極限 / 低温・高圧 / 低温・高圧・磁場 / 低温 / 高圧 / ヘリウム / ダイヤモンドアンビル / ピストンシリンダー |
研究概要 |
最近注目されている高温超伝導体、ヘビーフェルミオン系物質、有機物質などで見い出された異常な現象は固体内の電子、原子、イオン間の種々の相互作用が拮抗した中で発現しているのが特徴である。これらの異常現象を解明するには要素間の相互作用を温度、磁場、高圧の外部パラメータによって人為的に制御し、その現象の機構を調査、研究することが重要である。 このような背景のもとに本研究課題は外部パラメータとして温度と高圧を選び、精密な低温・高圧発生装置の試作をめざした。低温での圧力発生は極めて困難である。測定する試料に圧力を印可するには圧力媒体を用いるが低温高圧下ではヘリウムといへども固体となり、静水圧性が失われるのみならず、試料を破壊させてしまう。このような事情を理解した上で高圧装置を試作しなければならない。 我々はまず、ヘリウムが液体で存在できる低温で0〜29気圧の圧力範囲で動作する圧力発生技術を確立し、液体ヘリウム3の超流動状態の測定に成功した。次いで、超低温で一軸応力を発生できる装置を開発するためにヘリウムを用いたべローズによる駆動装置を作成し、有機物超伝導体α-(BEDT-TTF)_2KHg(SCN)_4の電気抵抗を34mKまで測定することに成功した。さらに高い圧力を発生させる方法としてヘリウムガスをピストン・シリンダー装置を用いて直接加圧する計画を立てたが、圧力発生装置が大がかりとなり、設置するには「高圧ガス取り締まり法」に抵触する事が分かり、この方法は断念せざるを得なかった。高圧を発生させる他の方法としてダイアモンド・アンビルを用いることを検討し、低温で圧力発生の駆動装置として多段ベローズ方式とメンブレム方式を採用した。これらはいずれも30GPaの圧力を超低温・強磁場下で発生させる、いわゆる多重極限環境発生装置で今後の物性研究の主力技術として期待されている。多重極限環境発生装置としてブリッジマン・アンビルを用いた装置、キュービツク・アンビルとX線発生装置と組み合わせたもの、低温・高圧・磁場下での磁気測定の装置なども開発した。
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