研究課題/領域番号 |
07554062
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
重原 淳孝 東京農工大学, 工学部, 教授 (60170867)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 高分子固体電解質 / リチウム2次電池 / 単一イオン伝導性 / アルミナート錯体型ポリマー |
研究概要 |
従来のハイブリッド型双イオン伝導体に代わるリチウム単一イオン伝導体としてオルソアルミナート錯体構造を有する高分子固体電解質を2種類開発した。中心金属のAlに配位する原子が酸素であるアルミナート錯体型では10^<-6>S/cm、配位原子がイオウであるチオアルミナート錯体型では10^<-5>S/cmの高い単一イオン伝導度を実現した。いずれも耐熱性に優れ、約250°Cまで安定であるばかりでなく、有毒な成分や蒸散しやすい媒体を含まない環境適合型の材料でもある。 金属リチウムをアノードとする二次電池を種々検索し、酸化型ポリアニリンあるいはTiS_2をカソードに用いた時、最も良好な結果を与えることが分かった。また、表記単一イオン伝導性高分子固体電解質に適量のリチウム塩を添加してt_+=t_-=0.5の理想的双イオン伝導状態を実現した系を用いると、金属リチウムアノード、酸化型ポリアニリンカソードの組み合わせにて約20mAh/gの容量を有し、放電時のプラトー電圧が低下しない良好な二次電池が得られた。なお、アルミナート錯体型では種々の酸化物カソード材料と接触させても安定であるが、チオアルミナート錯体型では分解反応が進み、イオウ、またはセレンなどのカルコゲン系カソード材料に限定されることが分かった。 安全な電池への試行の一環として、[Li^+-グラファイト層間化合物/電解質/層間化合物]の形式を検索する途上で、放電合成したグラファイト微粉末が極めて強いアクセプター性を示すことを見出し、従来のカルコゲン化合物カソードを代替できることが分かった。これらは[Li^+-グラファイト層間化合物/電解質/放電合成グラファイト]に代表されるオールカーボンの大容量二次電池の可能性を示唆するものである。同時に、イオン伝導度の高いチオアルミナート錯体型高分子固体電解質と併用できるので、今後、容量、単位セル当たりの電流密度が大きい二次電池を形成できる可能性が開けた。
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