研究課題/領域番号 |
07554064
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安積 徹 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90013490)
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研究分担者 |
藤井 金苗 日本電子(株), 分析機器技術本部, 課長
前田 公憲 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70229300)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1996年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | ラジカル対 / スピン対 / マイクロ波 / ADMR / RYDMR / SNP / CIDEP / 反応制御 / ESR / 磁場効果 / 過渡吸収スペクトル / 過渡吸収検出磁気共鳴法 / マイクロ波効果 |
研究概要 |
本研究において我々はスピン対の相関をマイクロ波パルスにより変化させ、その結果として化学反応を制御する手法の確立を目指す。そのために次のように研究を行い、成果を得た。 1、新しい時間分解スピン対相関観測システムの製作。 1)マイクロ波照射システムに発光観測装置、過渡吸収観測装置、核スピン分極観測装置、光伝導度測定装置を組み込み、マイクロ波によるスピン対相関への効果を、を多角的に観測することが可能なシステムを完成させた。 2)マイクロ波照射を自在に制御しスピン間相関を制御するために、マイクロ波共振器を改良しパルス照射が高時間分解能(数ns)で行えるようにした。 2、スピン間相関の直接観測。 上で述べた手法によりスピン間相関の時間発展を直接観測し、スピン対相関の緩和過程について、次のことを明らかにした。 1)スピン対における交換相互作用の揺らぎによるスピン緩和がマイクロ波照射による反応性の変化に顕著に現れる事。 2)パルスマイクロ波によりスピン対相関の混合過程をナノ秒の時間領域で加速、減速可能である事。また、遅延させたマイクロ波パルスはスピン対相関の混合過程の減速には有効でない事が明らかとなった。 3、時間分解ESRおよびSNP法によるミセル中ラジカル対の観測。 ミセル中のラジカル対は、スピン対の相関の運動が化学反応に有効に現れる反応系の一つである。これらの反応系において時間分解ESRおよびSNP法(誘導核スピン分極検出ESR法)を用いて、スピン挙動について明らかにした。これにより、スピン挙動とラジカル対の拡散運動との関係がほぼ完全に明らかになった。 以上によりマイクロ波による反応制御への基礎的データが得られた。今後多彩な反応系への応用が期待される。
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