研究分担者 |
唐 東雷 (株)東京精密, 中国室, (研究職)
森山 茂夫 (株)日立製作所, 中央研究所, 主任研究員
進士 忠彦 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (60272720)
佐藤 海二 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (00215766)
TANG Donglei Tokyo Seimitsu Co.Ltd., Researcher
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研究概要 |
本研究では,ナノメートルオーダの回転精度を有する磁気軸受の実現を目的とし,下記のことを行った. (1)2自由度吸引型磁気軸受の試作 高精度化を目的とした磁気軸受を試作した.軸・電磁石には,透磁率・飽和磁束が大きいパ-マアロイ鋼板の積層コアを採用することにより,アクチュエータのリニアリティの向上と,軸上に発生する渦電流の低減を目指した.軸の運動を高精度かつ大範囲に渡って観測するため,測定範囲±1mm,分解能0.5μmの渦電流型変位計と,測定範囲50μm,分解能10nmの静電容量型変位形を併用した.電磁石駆動用アンプとしては,ノイズ低減を目的とし,大電流リニアオペアンプを用いた. (2)制御系の設計 試作した機構のモデル化とパラメータの同定を行った.そのモデルをもとに,最適制御理論をもちいた状態フィードバックコントローラを,軸の安定浮上のため設計した.また,回転に同期した振動成分の低減のため,繰り返しコントローラを設計した.デジタルコントローラを2台併用することで,上記の制御を実機にて実現している. (3)静止時および回転時の軸の位置決め実験 静止時の軸の位置決め精度は,15nm,120rpmの回転時の軸の位置決め精度は,250nmを実現した.設計した繰り返しコントローラは,20Hzまでの振動成分は低減したが,それ以上の振動成分は有効に落とすことができなかった. (4)回転精度低下の原因の検討 軸の形状誤差とアクチュエータ・センサのノンコロケーションの影響を考慮した数値シミュレーションを行い,各要因が,回転精度の劣化に及ぼす影響を定量的に明らかにした.これより,精度向上のための指針をえた。
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