配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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研究概要 |
マイクロ・スコープ形ロボットには,配管構造物内での表面の付着物の認識や除去を行う能力が求められている.このため,搭載された触覚センサが物体との間に発生する滑りを計測したり,表面の摩擦係数の分布を検出することが有効となる.このような機能は,センサ表面の垂直力の検出だけなく,水平方向の力も同時に検出する三軸触覚センサによって実現される. そこで本研究では,マイクロ・スコープ形ロボットに搭載可能な三軸触覚センサ(以下,マイクロ三軸触覚センサ)の開発を目的として,ゴムシートの構造が単純でマイクロ加工が可能な光導波形一軸触覚センサを用い,画像処理によって三軸力検出を実現した.センサは,円すい状触子のアレイ付きゴムシート,アクリル板,光源装置,CCDカメラから構成された.センサ面に垂直力・水平力が加わると,接触面積は垂直力に比例するため,これをCCDカメラによって計測することによって,触子にかかる垂直力を検出した.また,水平分力によりゴムシートは軸方向ひずみを生じ,接触面は水平面内を移動するため,この移動量を計測すれば垂直力と併せて三軸力の検出が可能となった. 上述の三軸力検出原理の妥当性を確認するため,拡大モデル実験を行った.この拡大モデルに任意の組合せ荷重を負荷する実験を行った.この実験の結果から,垂直方向と水平方向の感度を求めるとともに,両者の干渉効果を調べた.次に,拡大モデルの研究効果に基づいて開発したマイクロ三軸触覚センサを開発した.本センサのゴムシートには,底面の半径と高さがそれぞれ300μmと100μmの円すい状触子を10×12個配列した.また,このセンサに微小な二軸の組合せ荷重を負荷できる荷重試験機を試作し,センサ面に種々の垂直力と水平力の組合わせ負荷を与える実験を行った.その結果マイクロ触覚センサの場合には,垂直力検出は輝度値を積分した値を用いた方が精度が向上することがわかった.また,輝度値の積分値と触子の水平方向移動量から三軸力を決定できることを確認した.最後に,本センサをマスタ・スレーブシステムに適用するための研究も進めた.PZTアクチュエータを用いて触覚呈示装置を開発して,三人の被験者に仮想的な表面テクスチャを呈示する実験を行った.その結果被験者は10パターンのテクスチャを識別できることがわかった.
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