研究分担者 |
橋本 博文 筑波大学, 構造工学系, 講師 (50272175)
松井 純 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40251756)
青木 功 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30175723)
正畠 宏祐 名古屋大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60132726)
小竹 進 , 名誉教授 (30013642)
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研究概要 |
1.二原子分子衝突モデルの構築とその検証 これまで松本らが開発してきた二原子分子衝突モデルを,ポテンシャル関数の精度向上,データベースの拡張,衝突断面積の決定方法の見直しなどにより信頼性を向上させた.これにより本モデルを用いた衝撃波の数値解析結果は実験結果と様々なマッハ数で一致するようになった.また,窒素の輸送物性(粘性係数,熱伝導率,拡散係数)が実験値と一致した.さらに,蛍光スペクトル法を用いた自由噴流場の実験を行い,本モデルを用いた数値解析結果と定性的な一致がみられた.さらに気体分子内の振動運動を含むモデル構築の前段階として,量子波束法を取り入れた量子分子動力学シミュレーションシステムの開発に成功した. 2.壁面反射モデルの構築とその検証 気体分子がキセノン,壁面がプラチナの場合の分子動力学シミュレーションを行い,単原子気体分子の壁面反射モデルの構築に成功した.本モデルは気体分子の衝突過程を多段階に分割しており,それぞれにおいて気体分子の衝突によるエネルギ変化,散乱方向,吸着判定を行っている.さらに二原子気体分子の壁面反射モデルも構築し,モデルをクエット流れの数値解析に適用したところ,壁面におけるスリップ速度は理論値と一致した.また,超高真空下における分子線散乱実験を窒素分子-グラファイト系において行い,散乱した気体分子の三次元的な散乱構造の測定に成功した.気体分子がキセノンや塩素の場合においての知見も得た.赤外分光分析法による凝縮相近傍でのクラスタ過程の測定も行い,凝縮相近傍でのクラスタの存在,および分布状態の知見を得た.
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