研究課題/領域番号 |
07555078
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
機械力学・制御
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須田 義大 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80183052)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 振動制御 / 振動絶縁 / 減衰 / エネルギー回生 / 省エネルギー |
研究概要 |
近年、振動制御の分野にアクティブ制御が応用されるようになり、制振性能の大幅な向上に寄与してきた。しかし、アクティブ制御を行なうためには外部エネルギーを必要とし、その消費エネルギーがアクティブ制御の欠点となることがある。一方、通常のダンパは振動エネルギーを吸収することによって振動を減衰させるデバイスであり、吸収した振動エネルギーは摩擦などによって熱エネルギーに変換され大気中に廃棄されている。そこで、ダンパで吸収した振動エネルギーを有効なエネルギーとして貯え、そのエネルギーを利用してアクティブ制御を行なうことを提案する。理想的には、このシステムでは、外部からエネルギーを供給することなくアクティブ制御を行なうことが可能である。本研究ではこのシステムを、アクティブ・エネルギー回生ハイブリット制御と名付け、その実現性を調べることが目的であり、実際にアクティブ・エネルギー回生ハイブリット制御装置を試作した。本研究と試作した装置は以下の特長を有している。(1)エネルギー損失が少ないリニアDCモータを利用したエネルギー回生ダンパおよびアクチュエータを製作し、デバイスの開発を行ったこと。(2)外部からエネルギーを供給せずに回生された振動エネルギーのみを利用するアクティブ制御を実現するために、エネルギー消費の少ないスカイフック制御を利用した新たな制御則を構築したこと。(3)試作した装置は次に述べるような実験から良好な性能を発揮したこと。 実験では、正弦波とランダム波の2種類の外乱を入力した。正弦波を入力した実験では、高周波の領域で優れた制振性能を示した。これは、高周波になるほど振動のエネルギーが大きくなり、回生される振動エネルギーが増加するからである。ランダム波を入力した実験では、低周波の領域においても制振性能が向上していることが確認された。これは、ランダム波では、低周波の成分と高周波の成分が同時に入力されるため、高周波で回生された振動エネルギーが低周波の制振に使用されたことが理由と考えられる。 以上のように、アクティブ・エネルギー回生ハイブリット制御は、現実的なランダム波外乱では低周波の制振性能も向上させることが可能であることが確認され、将来的にも非常に期待の持てるシステムであることがわかった。
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