研究分担者 |
島谷 孝 サンユー電子, 開発部, 主任研究員
宮崎 英樹 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (10262114)
溝口 博 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (00262113)
畑村 洋太郎 東京大学, 大学院・工学系研究所, 教授 (40010863)
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研究概要 |
本研究の目的は,微小体力学場において超微細作業を技能的に実施できる超微細技能作業ロボットシステムを実現することにある.平成8年度は,超微細作業システムを完成させること,微小体の力学を実際の作業に適用可能となるまで解明し,微細作業を確実に遂行するための技能作業手法を確立すること,作業実験により超微細技能作業ロボットシステムの有効性を検証することが目的であった. (1)超微細作業システムの完成:前年度に製作した基本ハードウェアに加え,今年度は制御のためのソフトウェアおよびヒューマンインターフェイス部を作製した.これにより人間の操作情報を分析したり,新たに開発した作業アルゴリズムを実際に試行することが可能となった. (2)微小体力学の解明:前年度の研究で微小体に働く力は主に静電力であることが明らかになっていたが,今年度は系統的な実験により,それが帯電電位の他に表面粗さにも依存することを明らかにし,それらの間になりたつ関係式を導出した.また,実験的に電子顕微鏡下での微小体の帯電電位が数10〜100Vであることを明らかにした.以上の結果から,数10μmの大きさの微小体に作用する吸着力が数100nNであることがわかった.また,工具と対象物の対向面積を変えることで吸着力が制御できることもわかった. (3)技能作業アルゴリズムの開発:1本の工具の角度を変える接触面積減少法,2本の先端径の異なる工具を用いる接触面積置換法についての力学を検討し,微小物が高い信頼性で基板上の目標位置にプレースできることを確認した.またそのためのロボットの軌道を求めた. (4)作業実験によるシステムの評価:直径20μmのハンダ球のプレース作業を試み,有効性を確認した.
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