研究課題/領域番号 |
07555093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋詰 保 北海道大学, 工学部, 助教授 (80149898)
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研究分担者 |
関 昇平 沖電気工業(株), 研究開発本部・半導体技術研究所, グループリーダー(研
呉 南健 北海道大学, 工学部, 助手 (00250481)
赤沢 正道 北海道大学, 工学部, 助教授 (30212400)
長谷川 英機 北海道大学, 工学部, 教授 (60001781)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1996年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | インジウムリン / ショットキー障壁 / 電界効果トランジスタ / 光電子集積回路 / 電気化学プロセス / マイクロ波デバイス / 光通信システム |
研究概要 |
燐化インジウムショットキーゲート電界効果トランジスタ(InP MESFET)は、マイクロ波分野で実用化されているGaAs MESFETよりも動作周波数の高い超高速集積回路や、光通信システムのキーデバイスとして期待されているが、これまでに実用化された例はない。本研究の目的は、新しい電気化学プロセスを用いて、高障壁を有するInPショットキー障壁を形成し、それを利用したInP MESFETを世界に先駆けて実現し、超高速集積回路および光電子集積回路に応用する素地を作ることである。得られた成果を以下にまとめる。 1)Pt/InPショットキーダイオードにおいて、0.86eV以上の障壁高さが再現姓良く得られ、理想因子も1.1程度と極めて良好な値を示した。 2)Pt/InP接合界面を、容量-電圧法、ラマン分光法および光電子分光法により詳細に評価した。結果、酸化層が存在せずストレスの極めて小さい界面が形成されていることが明らかとなった。 3)電気化学プロセスの選択性を利用することによって、ゲート長が1〜2μm程度の、PtゲートInP MESFETを作製した。MESFETは、すぐれたゲート制御性と完全なピンチオフ特性を示し、相互コンダクタンス23mSが得られた。ゲート漏れ電流もゲート電圧V_G=-5Vで100nA以下と低い値が得られ、-20Vの負ゲート電圧でもブレークダウンは見られなかった。さらに、0.6Vの正ゲート電圧まで良好なゲート制御性を示し、エンハンスメントモードMESFET作製の可能性をが示された。 4)InP系混晶半導体のInAlAsおよびInGaAsに対しても、良好なPtショットキー接合が電気化学プロセスによって実現できた。ショットキー障壁高さは、それぞれ、0.9eV,0.5eVとなり、従来の蒸着法によるPt/InPショットキーダイオードの場合より、300meV以上も高い障壁高が得られた。この結果は、ミリ波用の超高周波デバイスとして期待されている、InAlAs/InGaAs高電子移動度トランジスタ(HEMT)へのゲート形成に応用できるものである。
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