研究課題/領域番号 |
07555122
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
システム工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
澤田 康次 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80028133)
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研究分担者 |
早川 吉弘 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20250847)
中島 康治 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60125622)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
1996年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1995年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | CRANN / アナログメモリ / SDAM / ニューラルネットワーク / リミットサイクル / フィードバック / CMOS / 非対称 |
研究概要 |
本研究では、非対称符号結合荷重値を持つ神経回路網で実現される非常に多くのダイナミックな状態遷移の繰り返しの集合と入力ベクトルとの相互作用、さらには状態遷移のカオス的側面との相互作用を利用した記憶であるダイナミックメモリの開発を目的とした。この目的に対して、ダイナミックメモリの数理的解析については、我々が開発したCRANNの手法により、ある特殊なケースではあるが神経回路網の結合荷重値を非対称符号にすることで、数値計算可能な非常に多くのダイナミックな状態遷移の繰り返しの集合と遷移を伴わない状態の集合を詳細に調べ、その動特性の解析を行い、特徴的なリミットサイクル状態やその数、動的振舞いを行う条件等の新しい結果を得た。ダイナミックメモリシステムとしては、CMOSテクノロジーを用いニューラルネットワークの記憶要素であるシナプス部にSRAMを使用することによるプロトタイプのICニューロチップの設計を行いその動作をSPICEによって確認することが出来た。この設計については実際のシリコン基板上への集積化試作も完了しており、十分実用的な素子数の集積化が可能であると考えられる。また、更なる集積化に向けてキ-ポイントとなるシナプス回路において、我々が開発したSDAMに完全な線形動作を行わせるための単純なフィードバック回路を付加する方式と、動作シーケンスを従来型と変える2種類を提案し、数式による動作解析及び電子回路シミュレータSPICEにより完全な線形動作をするアナログメモリであることを確認し、このメモリーが実際のシステムへの導入が容易である事が示され、十分な小スペース化が実現可能であることを確認することができた。また、このようなメモリーシステムは時事刻々と変化する外界に自己組織的に適応していく必要が有り、この部分については実際の脳の中で行われているHebb則に基づくシナプス荷重値の更新回路(学習回路)が必要である。しかし、従来の学習回路はメモリデバイスとこの回路が独立した形で実装されるために集積化する時の妨げとなっていた。この問題に対して、我々は、既に提案してあるアナログメモリ(SDAM)に対してその構造の一部と動作シーケンスを変更することによって、アナログメモリ自身にHebb則動作を持たせることに成功した。この結果によって学習機能を持たせたシステムの高集積化に対して十分な効果をもたらすものと考える。
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