研究課題/領域番号 |
07555142
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宇佐美 勉 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50021796)
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研究分担者 |
葛 漢彬 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90262873)
水野 英二 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80144129)
伊藤 義人 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (30111826)
鈴木 森晶 名古屋大学, 工学部, 助手 (90273276)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 鋼製橋脚 / 耐震設計 / 強度 / 変形能 / 破壊 / 座屈 / 地震応答解析 / 復元力モデル / ハイブリッド実験 / 充填コンクリート |
研究概要 |
本研究では、鋼製橋脚の終局耐震設計法および補強法を開発するために、解析的な手法(静的解析、繰り返し解析および動的解析)と実験的な手法を用いて、鋼製橋脚の弾塑性性状を明らかにし、種々な提案を行っている。本研究により得られた成果は、以下の4項目にまとめた通りになる。 1.鋼製橋脚の強度と変形能 鋼製橋脚の耐震性能(即ち、強度と変形能)を改善する方策として、(1)鋼材のみで向上する、(2)コンクリートを柱基部に充填する、等の方法が提案されている。(1)の方法は、力学的なパラメータである幅厚比パラメータ、細長比パラメータおよび剛比に対し一定の制限を加えることである。これより、ハイダクティリティー鋼製橋脚の設計法を提案している。(2)の方法は、コンクリートを充填することによって、柱基部の鋼板の局部座屈の発生・進展を遅らせ、橋脚全体の変形能が向上するものである。後者に関しては、研究代表者らによって提案されたコンクリート部分充填鋼製橋脚の地震時保有水平耐力照査法がある。本提案では、橋脚の水平荷重と水平変位は、一定鉛直荷重と漸増水平荷重の元で、局部座屈を考えない弾塑性有限変位解析から求める。この手法の妥当性が、数多くの鋼製箱形断面橋脚の準静的実験およびハイブリッド地震応答実験の結果によって検証された。また、八角形断面橋脚についても、その適用性を検討した。さらに、同照査法の汎用性を高めるために汎用解析プログラムによる解析手法を確立した。 2.ハイブリッド地震応答実験 兵庫県南部地震で観測された地震波と道路橋示方書で与えられている地震波などを用いて、構造パラメータが異なる鋼製橋脚の極大地震時挙動を明らかにし、最大応答変位と残留変位の相関性を表す経験式を提案した。また、1.で提案したハイダクティリティー鋼製橋脚の効果をハイブリッド地震応答実験によって実証できた。 3.弾塑性地震応答解析 鋼製橋脚の静的および準静的繰り返し載荷実験に基づいて、2パラメータモデルという復元力モデルを構築し、それを用いた弾塑性地震応答解析を行った。また、コンクリート部分充填鋼製橋脚の復元力モデルも提案した。これらのモデルの妥当性は、ハイブリッド地震応答実験によって検証された。地震応答解析により、細長比(固有周期)とコンクリート充填率などによる激震時挙動を考察し、最大応答変位と残留変位との関係を明確にした。さらに、要求性能と保有性能の観点から鋼製橋脚の安全性と機能保持の評価法を提示している。なお、地震波特性のどの成分が危険な応答を引き起こすのかを調べた。 4.局部座屈を考慮した鋼製橋脚の繰り返し弾塑性解析 研究代表者らが開発した修正2曲面モデルは、薄肉から厚肉の鋼構造物の繰り返し挙動を非常に良い精度で予測できることがわかった。また、箱形断面とパイプ断面の鋼製橋脚の繰り返し弾塑性挙動を解析的に求め、それらの強度と変形能を推定する近似式を提案した。
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