研究分担者 |
上野 淳一 (株)鴻池組, 土木技術部, 技師
宮島 昌克 金沢大学, 工学部, 助教授 (70143881)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
北浦 勝 金沢大学, 工学部, 教授 (70026269)
亀田 弘行 (亀田 弘之) 京都大学, 防災研究所, 教授 (80025949)
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配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
本研究成果は下記の4点に分類して考えることができる.第1には液状化発生をもたらす地震動自体に対する研究である.亀田らは確率場の理論を用いて既知地震動から任意点の地震動を推定する手法を提案している.また,佐藤らは地震動のもつ位相スペクトルに注目して,活断層の幾何的形状が与えられた際の地震動の合成手法を提案して,兵庫県南部地震の際の地震動分布の推定を行っている.これらの地震動の推定によっていち早く地震動の強度レベル・特性などを知ることによって液状化発生の有無を予測することができる.第2は得られた強震記録を解析し,特性値を評価することによって,その地点の液状化発生の有無を予測する手法で,強震計を液状化センサーとして利用する可能性を追求したものである.これらの研究は高田・宮島らによって実施され,その可能性が充分にあることが示された.第3は実験(高田・李)あるいは有限要素法による有効応力解析(高田・李・宮島・北浦・上野)によって,液状化時に排出される水量を予測して,液状化程度(過剰間隙水圧比)と排出水量とを関連づける研究である.新たな実験装置の開発が行われ,また,理論的に実験値を検証することによって,排出水量を液状化センサーの指標とすることが可能であることが知られた.第4には地盤や地形の特性に応じて液状化可能性地域を事前に推定する研究である.地盤や地形特性が液状化発生に敏感であるならば,それらが液状化センサーとして利用し得うるとの発想に基づいた研究であると言える.小川は地盤や地形によって微動特性が異なることに着目し,常時微動周期特性から液状化発生の可能性が判断できるとしている.また,北浦らは実データを用いて液状化発生の領域を3次元的に表示し,工学的な観点から,液状化発生の有無のみでなく発生領域の推定が重要であることを指摘している.主な研究成果は以下のように要約される. (1)実験および解析によって液状化時に流出する水量を予測することができた (2)強震記録を分析することによって,強震計を液状化センサーとして応用できる可能性が高いことが明らかにされた (3)地質や地形の特性によって,液状化する可能性の高い地点を特定することができることを実資料にもとづいて明らかにした (4)地中で液状化している場合には地表面震動にも振幅増大など顕著な特性が見られることが知られた (5)液状化による側方振動や沈下などを計測できるセンサーの開発が期待される
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