配分額 *注記 |
10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1995年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
|
研究概要 |
本研究では,河口デルタ海岸全域の大規模海浜過程において,河川からの漂砂源と海岸漂砂から成る漂砂系を長期に安定化できるように安定海浜群を形成させる海岸侵食制御法に関して研究したが,得られた主な成果はつぎのようである. 河口デルタの縮小過程とその長期予測法 黒部川,安部川,富士川および天竜川の河口海岸である下新川海岸,静岡海岸,富士海岸および遠州灘海岸の河口デルタの縮小過程を海岸侵食との関係で調べた結果,海岸侵食に伴って拡散および波動現象として伝播する2種類の侵食波が発生することが見い出され,後者は前者より速く伝播すること,および漂砂源の変化による河口デルタ地形の変化と侵食波の発生との関係から河口デルタの縮小過程を解明することができた.さらに,大規模海浜過程における長期の汀線変化の予測モデルの構築においては,代表波浪の与え方を検討して異常波浪による汀線変化も予測できるモデルを構築し,上越・大潟海岸に適用して,その適用性を確かめた. 2.河口デルタの縮小に対する海岸侵食制御法 大規模海浜過程において安定海浜群の形成により海浜の安定化を図る安定海浜工法をさらに検討し,新潟海岸に適用した.実際上,その適用においては,漂砂源管理が必須であるので,そのための基本事項を静岡海岸を例示し,河口デルタ海岸の保全の在り方を提言した. 3.海岸侵食制御法の適用 これら両海岸のうち,新潟海岸では現在施工中であるので,従来の構造物による海岸侵食対策のほか,養浜,安定海浜の形成のいずれかが適当であったかを追算検討した結果,後者が有効であったはずとの結論を得た.さらに,上越・大潟海岸については,安定海浜の形成過程の予測法が構築され,現地への適用を図るとともに,具体的な安定海浜工法の適用も実施したが,その公表は今後に残された.
|