研究課題/領域番号 |
07555234
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
神沢 淳 東京工業大学, 工学部, 教授 (80010908)
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研究分担者 |
関口 秀俊 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50226643)
渡辺 隆行 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40191770)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1996年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 熱プラズマ / 流動層 / フロン / 酸化カルシウム / 炭酸カルシウム |
研究概要 |
フロンのオゾン層破壊による地球環境の悪化が懸念されており、代替フロンの開発とともに使用済み廃フロンの分解、無害化の方法の確立が早急の課題となっている。そこで本研究では、酸化カルシウムまたは炭酸カルシウムを流動粒子として用いた熱プラズマ流動層を利用して廃フロンを分解することを試み、生成した酸性ガスを流動層のカルシウム化合物粒子と反応させ塩素成分およびフッ素成分の回収を行うことを目的とした。 熱プラズマ流動層は、有機ハロゲン化合物の分解と生成ガスの回収を連続したプロセスで行えるため、廃フロン等の処理に有効である。まず本研究では有機ハロゲン化合物の中で構造の簡単な塩化メチルを、極めて高温の熱プラズマ中で分解し、生成した酸性ガスを流動層のカルシウム化合物粒子と反応させ塩素成分の回収を行った。流動粒子の物質による塩素成分の回収率、粒子の転化率の違い、反応時間経過に伴う回収率の低下等を、粒子表面の形状、反応速度、反応モデルから検討した。 次に熱プラズマ流動層によるフロン12を同様の方法で分解し、生成ガス中に含まれる塩素成分とフッ素成分を、酸化カルシウムまたは炭酸カルシウムの流動粒子と反応させて回収した。2成分を同時に回収する影響を塩化メチルの場合と比較した。その結果、酸化カルシウムと塩酸との反応は、酸化カルシウムとフッ酸との反応より速いので、反応初期では塩素成分の回収率が大きい。しかし、酸化カルシウムの表面を覆った生成物の塩化カルシウム層を拡散する速度は、塩酸よりフッ酸のほうが速いので、反応後期ではフッ素成分の回収率が大きくなる。 以上の結果から、熱プラズマ流動層を用いた廃フロンの分解、および塩素成分とフッ素成分の回収を行う方法の基礎的知見を得ることができた。特に本研究では、流動層粒子と、フロンの分解生成物の塩素成分やフッ素成分との反応機構を解明することができた。
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