研究課題/領域番号 |
07555267
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小山 昇 東京農工大学, 工学部, 教授 (40134845)
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研究分担者 |
外邨 正 松下電器産業(株), 中央研究所, 主任研究員
庄司 英一 東京農工大学, 工学部, 教務職員 (50262241)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
22,400千円 (直接経費: 22,400千円)
1996年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1995年度: 15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
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キーワード | 二次電池 / 有機イオウ化合物 / 導電性高分子 / 銅集電体 / ポリマー電池 |
研究概要 |
リチウムイオン電池などの開発により、二次電池の高エネルギー密度化は進んでいるが、電気自動車の実現等のためには、さらなる向上が必要である。本研究では、導電性高分子であるポリアニリンと有機イオウ化合物を複合化することにより高いエネルギー貯蔵能を発現させ、従来の無機系材料より高いエネルギー密度を持つ、二次電池用有機系正極材料を開発することを目的とした。まず、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール(DMcT)およびその二量体と導電性高分子ポリアニリンとの電子移動反応について可視分光法により調べた。その結果、電気化学的に活性なポリアニリンとDMcTの間において可逆な電子移動反応が進行しうることが確かめられた。DMcTとポリアニリンとの複合系はすでに高エネルギー密度二次電池用正極として応用可能であり、高いエネルギー密度を持つことが示されているが、充放電電流値が低いという問題があった。そこで、正極集電体として従来のカーボンに代えて銅を用いることにより、充放電特性の向上を試みた。銅集電体を用いた場合、充電初期に銅の酸化に伴う溶出が見られ、それに伴って正極の充放電容量が増加し、DMcTとポリアニリンの量から算出した理論容量よりも高くなった。このことから、溶出した銅がDMcTなどと複合体を形成し、これが充放電に寄与しているものと推察された。一価または二価の銅イオンとDMcTとが錯体を形成することはすでに知られている。この正極は炭素集電体を用いた場合よりも数倍高い電流値で充放電を行うことができ、また安定した出力電圧特性(約3.2V)を示すことから、銅-DMcT複合体は電気化学反応速度が高く、比較的安定した酸化還元電位を持つものと考えられる。
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