配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
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研究概要 |
本研究では特異構造化合物の反応性を解明し合成的変換法を確立していくとともに生理活性分子設計に応用することによってユニークな新規合成ブロックとしての開発と実用化の研究を押し進めることを目的としている。研究実施計画に沿って検討した結果以下に要約できる成果を得た。 (1)多環系骨格誘導体合成法の開拓と生物活性の探索:ホモアダマンタン系での橋頭位オレフィンの共役置換基による安定化に成功し3環系特異構造合成ブロックとして開発した。設計イミノホスホランのケモ選択性を解明し,光学活性Benzomalvin AおよびBの合成法を開発した。また前者のユニークなコンフォメーション変化の解明にも成功した。分子間aza-Wittig反応/ヘテロ環化法によるプテリジン,デアザプテリジンの新規合成法を開発した.またニトロン環化付加-転位反応により生理活性ピロロジヒドロイソキノリン合成法を開発した。 (2)C60フラーレンの付加反応性の解明とそれらのヘテロ環誘導体合成法の開発および諸性質の解明:ヘテロDiels-Alder反応や複素環のo-キノジメタン型ジエンの[2+4]環化付加反応,β-ジケトンなど双求核剤との酸化的[2+3]環化付加反応,ニトロ化合物から容易にできるるシロキシニトロンの[2+3]環化付加反応がC60と円滑に進行し,複素環縮合または連結型C60誘導体の合成ルートを開発した。これらのヘテロ環部変環反応性を開発した。 (3)スクアリン酸誘導体の環変換反応による骨格合成法の開発と生理活性分子合成への応用:不飽和シラン類へのスクアリン酸骨格への親電子付加反応を開発し,熱及び光,ラジカル種誘起による新規環変換法を開発した。スクアリン酸アセタール誘導体への不飽和シラン類の付加反応においてアルキニルシラン類の親電子付加反応では興味ある1,2-Si転位,開環,5-exo-trig環化の新機構によるシクロペンテンジオン合成法を見出した。 (4)入手容易なパ-フルオロアルキル誘導体を活用した新規含フッ素合成中間体の開発と生理活性分子設計への応用:容易に安価で入手できるトリフルオロ酢酸エステルを出発原料としてラジカル環化反応等により橋頭位トリフルオロメチル化5〜6員環含窒素複素環の合成ルートを開発した。またキラルトリフルオロフェニルスルフォニルプロペン誘導体合成とその[3+2]および[4+2]環化付加反応,Michael付加反応により光学活性トリフルオロメチル化合物合成法を開発した。
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