研究課題/領域番号 |
07555286
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 尚 名古屋大学, 工学部, 教授 (10135311)
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研究分担者 |
斉藤 進 (斎藤 進) 名古屋大学, 工学部, 助手 (90273268)
石原 一彰 名古屋大学, 工学部, 助手 (40221759)
柳澤 章 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60183117)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | アリルバリウム反応剤 / 選択性アリル化反応 / アルファ選択性 / ハロゲン化アリル化合物 / エポキシド化合物 / イミン化合物 / リン酸エステル / Barbier型クロスカップリング反応 / α選択的カルボキシル化反応 / 選択的アリル化反応 / ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)リン酸エステル |
研究概要 |
今までほとんど研究されていなかったアリルバリウム化合物が、その反応性・選択性共に非常にユニークであり、懸案であったアルファ(α)選択性を示す唯一の金属であることを当研究室で初めて見出した。本研究ではこのバリウム反応剤の反応性をさらに詳細に検討し、真に有効な反応システムを構築することを目的とする。具体的には、(1)カルボニル化合物、ハロゲン化物やその等価体をはじめとする全ての可能な親電子剤との選択的反応の開発を行う。(2)反応の遷移状態を計算することによって、この反応の選択性の理論的裏付けを得る。(3)こうした基礎的な研究によって、アリル型反応剤を用いる実用的不斉合成を目指す。 これまでの予備的研究において、アリルバリウム反応剤がアルデヒドやケトン等の親電子剤に対して、高α選択的に付加し、しかも-78°Cの反応において、そのオレフィンの立体化学が完全に保持されることを見い出している。そこでさらに他の親電子剤についても同様に検討したところ、新たにハロゲン化アリル化合物、エポキシド化合物、およびイミン化合物がアリルバリウム反応剤との反応で高選択的にα生成物を与えることがわかった。特に、イミン類との反応において、その位置選択性が反応温度に依存し、より高温でα付加体を与える点は注目に値する。また、これまでに見い出したアリルバリウム反応剤による種々の親電子剤の高選択的アリル化反応について、さらに実用性を高めるために反応システムの再検討を行った。まず、β,γ-不飽和カルボン酸の立体特異的合成法であるアリルバリウム反応剤のα選択的カルボキシル化反応について、約7倍のスケールアップに成功した。一方、ハロゲン化アリル化合物とのクロスカップリング反応に関しては、脱離基にリン酸エステルを用いることで、これまでに例のない高選択的Barbier型クロスカップリング反応が進行することを見い出した。
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