研究分担者 |
高品 純志 (株)三井造船昭島研究所, 制御エンジニアリング事業部, 事業部長
平野 雅祥 (株)三井造船昭島研究所, 技術部, 総括研究部長
前川 和義 北海道大学, 水産学部, 助手 (80250504)
浜本 剛実 大阪大学, 工学部, 教授 (30107130)
古川 芳孝 九州大学, 工学部, 助教授 (90253492)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1995年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
海難事故は最近でも世界の各地で発生しており,万一タンカー等の海難事故が起これば積荷の油が流出し,海洋環境を破壊することが考えられ大きな社会問題になる。これらの海難事故を防ぐ為には人間要素いわゆる操船者の技量を高めることと同時に,船体固有の操縦性能を向上させることが必要となる。現在IMO(国際海事機関)では人命安全,海洋環境保全の観点から新たに船舶の操縦性能基準を規定しており,この為船の設計の段階で操縦性能を精度よく推定し,評価することが不可欠となる。ところが,過去の海難事故の例では深水域よりむしろ水深の浅い海域で起こっている場合が多い。従って操縦性能基準に規定されている深水域だけでなく,浅水域における性能を推定し評価することは極めて重要なこととなる。同一の船舶でも深水域と浅水域とでは操縦運動特性が顕著に異なることがあり,海難事故防止の観点からも浅水域での操縦運動性能を的確に推定することが必要となる。本研究は以上のような問題を背景にしているが,現在のところ浅水域における船の操縦運動特性を船型要素や船体形状等を充分考慮して推定する方法はほとんど公表されておらず,従って実用的な推定方法の開発が急務となっている。 そこで本研究は,細長体理論を応用して,まず水深の深い海域における船体に作用する流体力について船体形状の影響を考慮することのできる計算法を開発を行った。続いて,この計算法を基礎に浅水域の問題への拡張について検討を行った。本研究において開発した船体流体力の計算法は,従来主要寸法の影響しか考慮することのできなかった問題に対して,船型要素,即ち船体形状あるいは船尾形状を充分な精度で考慮することが可能であり,設計の段階で充分実用に供される計算方法となるものと考えられる。
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