研究課題/領域番号 |
07555322
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
資源開発工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前 晋爾 北海道大学, 工学部, 教授 (80022672)
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研究分担者 |
内田 努 北海道工業技術研究所, 研究技官
郷原 一寿 北海道大学, 工学部, 助教授 (40153746)
本堂 武夫 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60109494)
藤田 秀二 北海道大学, 工学部, 助手 (30250476)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1996年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1995年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | ハイドレート / メタン / 氷 / マイクロ波 / 分子動力学 / メタンハイドレート / ラマン分光測定 / メタン分子占有率 / 分子内運動 |
研究概要 |
本研究の目的は、将来のエネルギー資源として有望視されているメタンハイドレートの資源利用のため、その物理化学的性質を明らかにすることである。特に、結晶内部のメタン分子の描象を捕らえ、メタンハイドレートの生成・解離機構を明らかにするため、X線回折、ラマン散乱による実験および分子動力学シミュレーションを行なった。また、メタンハイドレートの特性を理解する上で重要である炭酸ガスハイドレート、空気ハイドレートの研究も行なった。 本研究で得られた成果は、次の通りである。 (1)人工メタンハイドレートの結晶構造解析を、X線粉末回折法で測定した。測定して得られた回折線強度は、計算で求めたI型ハイドレートの回折線の相対強度(エチレンオキサイドハイドレート単位胞長は、a=11.96±0.1 4Åと求められた。この結果、測定した人工メタンハイドレートはI型結晶であることが確認された。 (2)メタンハイドレート中の水和数を非破壊で測定するため、人工メタンハイドレート試料について、ラマン分光測定を行った。各ケージへの占有率を熱力学的モデルを用いて見積ったところ、水和数は6.08〜6.28となった。質量測定で得られた見かけの水和数の変化に比べて、見積もられた水和数の変化が小さいことから、この変化の差は試料中のハイドレート含有率として表わされることが示された。また、炭酸ガスハイドレートの生成過程をラマン分光法を用いて観察し、水溶液中で結晶が成長していく際に炭酸ガスの周囲の水分子の構造が変化していく様子を捕らえることができた。 (3)メタンハイドレート結晶中のメタン分子の運動を明らかにするため、分子動力学シミュレーションを行なった。メタン分子の振動スペクトルを計算した結果、液体の状態よりもより速い回転・伸縮振動が起こっていることが明らかになった。また原子の軌跡より、ケージ内でメタン分子は周りからの束縛をほとんど受けずも回転運動をしていることがわかった。炭酸ガスハイドレートについては、結晶中にある大きさの異なる2種類のケージ内でのゲスト分子の運動状態を調べた。振動スペクトルの計算から、小さなケージ内では二酸化炭素分子の分子内伸縮振動数は高く、周囲の水分子からの束縛を受けた運動状態にあることが明らかになった。
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