研究概要 |
既存のサーボ試験機を改良して一軸引張試験をおこなった.この試験機は当研究室で設計・製作したものである。製作図面などが残っていたので,試験機自体の改良は比較的簡単であった。ただし,計測装置・記録計・データ処理装置については,微小な変位の検討が詳しくできるようかなりの改良をおこなった.成果は英文にて発表した.本報告者の最後に論文を添付しておく. ついでさらに安価におこなえる一軸引張試験装置の開発に着手した.その際,従来ほとんど報告のなされていない載荷速度の領域での試験がおこなえることに留意した.報告書ではこの試験機と試験方法について詳しく述べることにする.この試験機の製作費用は20万円であった.ただし,種々の試行錯誤をおこなったので開発費用はかなりかかった.研究期間2年の間でなんとか一軸引張応力下での完全応力-歪曲線を得ることができたが,ピーク強度以降での挙動の把握にはやや不安定なところが残った.しかしながら,テーマが極めて難しいことを勘案すると、満足すべきかもしれない.いずれにしろ,今回の研究方針,試験機開発方針は妥当と思われるので,今後も試験機・試験方法改良を続ける予定でいる。
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