研究概要 |
障害者の困難を体験するためには実世界に近いダイナミクスの実現や,環境の変化を被験者にフィードバックすす必要がある.そこでそのような車輪への力情報フィードバックが障害体験に不可欠な要素と考え,試作してきた車椅子体験システムに力覚呈示装置を加え制作した. 車椅子の後輪を二つのローラの上に載せ,前方のローラには速度制御のためのロータリーエンコーダが取り付けられ,後方のローラは力呈示のためのDCサーボモータとタイミングベルト及びプ-リで結ばれている.システムの取り付けてあるカンセンサで車いすの車輪を漕ぐ力を測定し,その値をA/D変換で取り込みその力から次節に示す運動方程式により目標の速度を決定し,D/A変換によりアナログ信号をサーボドライバを介してDCサーボモータに出力し,その際の速度を前方のローラに取り付けてあるエンコーダで計測し,目標速度とエンコーダによる測定速度を一致させるように制御を行って,車椅子の車輪への力呈示を実現させた. 更に,力呈示システムのダイナミクスを実世界と一致させるための校正実験を行った.まず,実世界において被験者に車椅子を一漕ぎしてもらい進んだ距離を測定しそれらの平均を取った.そして,制作したシステムで,同様の動作を行い,その距離が一致する用にパラメータを設定した.実験結果から実世界および仮想世界の値がほぼ一致していると分かった.
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