研究分担者 |
松野 哲也 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (80243921)
宮島 徹 九州大学, 理学部, 助教授 (40128103)
緒方 惟昭 産業医科大学, 医療技術短期大学, 助教授 (00194423)
飯山 悟 近畿大学, 九州工学部, 教授 (80176057)
末崎 幸生 佐賀医科大学, 教授 (80069484)
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研究概要 |
高等動物の化学感覚は,多数種類の化学物質を受容して,酸味や苦味,甘味等の縮約された感覚を素早く構成する能力によって特徴づけられる.本研究では,化学物質を受容する素子として人工脂質膜を用いて,また,情報処理系としてカオスダイナミクスを有する結合振動子システムを用い,人工の味覚認識システムを構築することを目指した. ラングミューア・ブロジェット法を用いて高配向脂質膜電極を作製し,種々の味物質に対する膜電位,膜インピーダンスの変化を調べることによって,膜界面,内部における電気化学的事象に関する新しい情報が得られた.また,表面プラズモン共鳴法を用いることによって,吸着性味物質の膜内部への浸透の状況,また味物質間の相互作用に関する知見が得られた. さらに,結合振動子型の神経回路網モデルの力学構造が数値的かつ解析的に調べられた.非線形性が比較的大きな領域において複雑でカオス的な巨視的挙動が観測された.また,適当な入力刺激によって系のダイナミクスが多様に変化することが確認され,カオスダイナミクスの味覚認識システムへの応用の可能性が示された. 以上のように,本研究はカオスダイナミクスを利用した味覚情報認識システムの構築へ向けて大きく前進したものである.
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