研究概要 |
PSDはPosition Sensitive Deviceの略称で,通常光像の重心位置を検出するために使われる。本研究では検出回路及び信号処理ソフトを工夫することにより,ボルト取り付け穴のように黒い部分の重心位置及びその傾きを検出することのできるPSDセンサシステムを開発した。本センサシステムの穴の位置及び角度検出分解能はおよそ3μm及び0.3度であった。本センサシステムと4軸直交ロボットを組み合わせた組立用ロボットシステムを構築した。本システムでは±3mm,±5度程度の位置及び姿勢ずれのある公差30μmの穴へのシャフト挿入を行うことができた。さらに1自由度のロボットと組み合わせて,移動物体へのシャフト挿入システムを構築した。本システムでは9mm/secで移動する物体へシャフトを組み付けることが可能であった。しかし本PSDは受光部が平面であり,角度分解能か良くないので,角度分解能を格段に向上できる十字型受光部のPSDを考案し,浜松ホトニクス(株)と共同開発を行った。またロボットの制御を高速で行うために,アクチュエータの制御システムを改造して,直接コンピュータでロボットが制御できるようにした。新しいシステムでは150mm/secの速度で移動する物体の追従が可能であった。新しく開発した十字型PSDの穴の位置及び重心検出特性,及びこのセンサ及び新しく改造したロボットを用いた移動物体へのシャフト組み付けについては,今後実験を行い結果を順次発表する。
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