ゴムマット布設による冬期の滑り防止路面の開発を目的に、道内4市のゴムマット路面試験道路で通年の路面状態の観察と走行性の試験及びゴムマットに関する室内基礎実験を行い、得られた成果を以下に列挙する。 1.室内基礎実験 (1)-10℃程度での表面形状を有しない、布入りゴムマット(厚さ3cm)の輪荷重による表面のたわみ量は実計測によると5mm程度であった。しかし表面の変形は非常に複雑であることが判明した。 (2)ゴムマット上に、圧雪・アイスバーンが生じずらいのは、試験道路を普通道路と同様に除雪対象とした場合であり、しかも、車輪の駆動力により、ゴムマットがたわみ、振動し車両の通過が一定台数以上であれば、常にゴムマット面から雪を遊離させつつ、粒雪状に変化させるものである。 (3)ゴムマット表面の形状とゴム質の違いによる、動的摩擦係数を室内実験的に簡単に計測する装置の技術開発を行った。この装置の開発は今後も弱冠の手直しが必要であることが判明している。 2.野外試験道路実験 (1)日常観察によれば、交通量、気温、降雪量、日照量によって、ゴム路面上の雪質の変化が複雑であり、少なくとも日交通量500台程度以上であれば、ゴム路面上の雪質が粒雪状または露出状態である。 (2)ゴムマット路面の動的摩擦係数をVTRと画像処理により、各種の路面状態で計測し、夏場の濡れ路面で、0.4程度、冬場の濡れ路面や粒雪状態の路面では0.55程度を得た。 3.日交通量500台程度以上の上り下り勾配7%程度までは冬期の滑り防止効果を発揮できるものと考察した。 4.コストダウン、道路構造全体の耐久性及び除雪機によるゴムの損傷防止法等が今後の研究課題である。
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