研究課題/領域番号 |
07555479
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
金属物性
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
沖 憲典 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70037860)
|
研究分担者 |
中山 亮治 (株)三菱マテリアル, 総合研究所, 研究員
波多 聰 (波多 聡 / 波田 聰) 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (60264107)
板倉 賢 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20203078)
桑野 範之 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (50038022)
中山 亮次 (株)三菱マテリアル, 総合研究所, 研究員
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
|
キーワード | HDDR過程 / ネオジウム鉄ボロン磁石 / 異方性磁石粉末 / 電子顕微鏡 / 微細組織変化 / 結晶方位関係 / EDX組成分析 / EDX分析 |
研究概要 |
HDDR処理による結晶粒の微細化と異方化のメカニズムについての知見を得るために、Nd-Fe-B3元合金およびNd-Fe-Co-B-Zr5元合金におけるHDDR処理途中の微細組織変化をX線回折実験および透過電子顕微鏡観察により解析した。その結果、(1)水素化相分解(HD)過程はNd_2Fe_<14>B主相が筋状または球状のNdH_2とα-Fe母相とに相分解することで始まり、その後にFe_2B相が遅れて生成すること、(2)NdH_2とα-Feは分解前のNd_2Fe_<14>B主相と特定の方位関係を持っておらず、方位を受ぐメモリーサイトとして機能していないこと、(3)5元系合金では3元系よりもHD反応がゆっくりと進行すること、(4)分解初期のNdH_2中にはホウ素が多く含まれており、これが分解後期にはNdH_2中から吐き出されてFe_2B相が形成されること、(5)相分解が進行してFe_2B相が形成された試料では磁気異方性が低下すること、(6)球状NdH_2とα-Fe母相との界面部分からNd_2Fe_<14>B相がリム状に再結合してくること、(7)再結合Nd_2Fe_<14>Bリム相はごく僅かに結晶方位の異なる幾つかの結晶粒から構成されていること、などを明らかにした。これらの結果から、Fe_2B相の形成を抑制し、球状NdH_2とα-Fe母相のみの相分解組織を得ることで、さらに結晶配向度の高い再結合Nd_2Fe_<14>B結晶粒組織となり、磁気異方性が増大するものと思われる。また、Nd_2Fe_<14>B再結合相の粒径はNdH_2分解相のサイズと密度に関係しているために、より微細なNdH_2α-Fe母相に高密度で分散させた相分解組織とすることでより微細な再結合結晶粒が得られ、高保磁力の磁石粉末が作製できるものと期待される。
|