研究課題/領域番号 |
07555482
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
平田 好洋 鹿児島大学, 工学部, 教授 (80145458)
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研究分担者 |
梶 正己 京セラ株式会社, 総合研究所, 課責任者
稲垣 正祥 京セラ株式会社, 総合研究所, 課責任者
古賀 和憲 京セラ株式会社, 総合研究所, 所長
中村 祐三 (中村 裕三) 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40198247)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | Si-Ti-C-O繊維 / ムライト / 積層材料 / 加圧焼結 / 微構造 / 力学的性質 / 鞍状曲げ試験 / ポリチタノカルボシラン / コンプライアンス / 一軸配向 / 平織り / 内部応力 / 有限要素法 / 破壊 / き裂 / 透過電子顕微鏡 / 析出物 / コロイドプロセッシング / 長繊維織物 / 炭化ケイ素 / 非線形破壊 / 残留応力 / 破壊抵抗 |
研究概要 |
コロイドプロセッシングで長繊維織物/ムライトマトリックス複合材の成形が十分可能で、その加圧焼結性は大変高いことが証明された。複合材料の透過型電子顕微鏡観察で、繊維/ムライトマトリックス界面に10nm幅のグラファイト層及び粒径0.1〜0.2μmのTiC析出物を確認した。グラファイト層は(0002)面が界面に平行に発達しているので、複合材料の引き抜き効果が期待できる。繊維には10〜30nmのβ-SiCとTiC粒子及び短周期のグラファイト相が認められた。繊維にはアモルファス相のシリカが残存していることも判った。繊維の結晶化は繊維中のアモルファス相の生成と共に進むものと思われる。Si-Ti-C-O織物/ムライト積層材における主クラックスはいずれの試料でもムライト層を加圧方向と平行に貫通し、繊維層で90°に偏向した。積層材中のムライトの破壊靭性はムライト単体のそれより大きく、クラック先端が繊維層に近づくにつれて破壊抵抗が増大することがわかった。積層材のこれらの力学的性質について理論計算を行い、問題点を整理して、微視的かつ巨視的なアプローチが必要であることを指摘した。そして、これらの問題点を実験的な立場から調査し、平織構造繊維とマトリックスの弾性係数、熱膨張の差に起因して形成される内部応力を測定して、破壊強度を考察した。さらに繊維構造の形状の不均一性に起因して積層材料内には、場所的に不均一な応力場が形成されることを実験的に明らかにした。繊維近傍の局所的な応力場ならびに巨視的な長範囲応力場の重畳を考慮することにより、積層材プロセスの問題点並びに破壊挙動が理解できた。鞍状曲げ試験により複合材料の引っ張り/圧縮強度を評価した。その強度はムライト単体のものより低かった。破壊パターンと破面観察により以下の破壊プロセスを仮定した。ムライトと繊維間の熱収縮差により生ずる残留応力により微視亀裂が発生し、鞍状試験のせん断応力により成長、連結して巨視亀裂になる。それがモードII破壊を生じ、主応力と垂直な方向に進展し試験片の破壊に至る。積層材のプロセスの改善を目指し、無機高分子の熱分解法をコロイドプロセスに併用した。ムライト/ポリチタノカルボシラン/キシレン系からドクターブレ-ド法でシートを成形した。これを窒素雰囲気中で加圧焼結し、ムライトとポリチタノカルボシランの反応性を調べた。1400°〜1600°の生成相はムライト、Si-Al-O-N(Si_2Al_3O_7N又はSi_<12>Al_<18>O_<39>N_8)、α-Al_2O_3、β-SiC及びTiNであった。焼結体の組織観察から生成相はムライト-C(ポリチタノカルボシランから供給)-N_2系の反応によるものと考えられた。
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