研究課題/領域番号 |
07555492
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
複合材料・物性
|
研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
長谷川 正木 桐蔭横浜大学, 工学部・材料工学科, 教授 (50133103)
|
研究分担者 |
黄 謙 (株)前田先端技術研究所, 研究員
プシュパラール G.K. (株)前田先端技術研究所, 研究員
小林 忠司 (株)前田先端技術研究所, 研究第一部長
高田 朋典 桐蔭横浜大学, 工学部・材料工学科, 助教授 (20110166)
G.K.デイニブレム ブ (株)前田先端技術研究所, 研究員
G.K.デイニブレム プ (株)前田先端技術研究所, 研究員
齋藤 潔 桐蔭学園横浜大学, 工学部・材料工学科, 講師 (90225699)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | フェノール樹脂 / レゾルシノール / アルコール溶性ポリアミド / 高強度ポリマー / セメント複合材料 / アルミナセメント / ポルトランドセメント / 複合材料 / 高強度化 / セメント / 熱硬化性樹脂 / メラミン樹脂 / 耐水性 |
研究概要 |
(1)昨年度までの研究によって、フェノール樹脂以外の熱硬化性樹脂からは高い曲げ強度と耐水性を示す複合材料は得られないこと等が確認され、フェノールのOH基の存在が強度発現に大きく寄与していることが強く示唆された。そこで本年度はOH基を2個有する2価フェノール(カテコール、レゾルシノール)の添加による曲げ強度、および耐水性への影響を調べた。その結果、パラホルムとレゾルシノールをフェノール樹脂に対して4%添加した複合材料の曲げ強度は30-40%向上することが明らかになった。しかし、カテコールでは無添加の複合材料とあまり強度の変化がなかった。この理由としてOH基がo位にあるカテコールよりもp位にあるレゾルシノールの方がホルムアルデヒドと反応し3次元化し易いことが考えられる。また、2価フェノールを添加した複合材料のプレス加工による成形条件と曲げ強度の関係について検討した結果、レゾルシノールを4%添加し、プレス加工をした複合材料は最大220MPaの極めて高い曲げ強度を示すことがわかった。 (2)セメントは高い吸湿性を示すことからアルミナセメント、ポルトランドセメント以外の吸湿性無機物(硫酸銅、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等)を添加した複合材料の添加量と曲げ強度の関係を検討した。その結果、添加量の増加とともに成形性、曲げ強度ともに急激に低下した。しかし、三価の化合物(酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化インジウム、水酸化インジウム)の場合には、少量の添加で曲げ強度が上昇した。しかし、酸化アルミニウムを50%添加した複合材料以外では耐水性は向上しなかった。 (3)強度向上のメカニズムを解明するためのモデル実験として、アルミナセメント主成分であるモノカルシウムアルミネート、およびカルシウムアルミネートの構成成分である酸化アルミニウムあるいは酸化カルシウムと2価フェノール(カテコール、レゾルシノール)を170℃で加熱処理することにより2価フェノールと標記無機化合物間の相互作用について検討した。その結果、酸化アルミニウムでは重量増加を示さなかったが、他の化合物では重量増加を示し、FT-IR、DSC/TG等の測定からもセメントとOH基間に化学的相互作用の存在やフェノールのPPO型重合反応の進行が示唆された。 (4)ポリマー・セメント複合材料の研究から得られた知見と技術を応用し、α型半水石こう、レゾルシノール、ホルマリンおよび少量の酸の組み合わせから石こう硬化体よりも曲げ強度が約40%向上し、3ヶ月間室温の水に浸せきしても曲げ強度が低下せず、さらに、同サンプルを乾燥させた場合の曲げ強度は初期強度の30-40%向上するポリマー・石こう複合材料を開発した。 (5)破壊力学による材料の評価として破壊靱性値等の測定を実施した。
|