研究課題/領域番号 |
07555499
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
森本 章治 金沢大学, 工学部, 助教授 (60143880)
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研究分担者 |
大坪 茂 澁谷工業株式会社, 教授
久米田 稔 金沢大学, 工学部, 教授 (30019773)
清水 立生 金沢大学, 工学部, 教授 (30019715)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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キーワード | レーザアブレーション / Y系高温超伝導体(YBOC) / チタン酸ジルコン酸鉛(PZT) / ビスマス鉄ガ-ネット(BiIG) / 成長表面パルス光励起 / マグネシア基板 / a軸配向 / テンプレート層 |
研究概要 |
本研究では、薄膜成長表面へのパルス光励起を行いながら各電子材料薄膜を堆積可能な装置を構成した。具体的には、YBa_2Cu_3O_x(YBCO)高温超伝導薄膜、不揮発メモリとして重要なPb(Zr_<0.52>Ti_<0.48>)O_3(PZT)強誘電体薄膜及び高密度光磁気記録用材料として重要なBi置換希土類鉄ガ-ネット(Bi:RIG)強磁性薄膜を、結晶配向、結晶粒径を制御しながら作製し評価した。特に、YBCO薄膜に関しては、本研究の主目的である成長表面へのパルス光照射を授用しながら薄膜を作製した。 (1)YBCO薄膜:MgO基板は格子定数がYBCOとかなり異なり、MgO上で良好なa軸配向YBCO薄膜を作製することは容易ではない。そこで、YBCOとほぼ同じ結晶構造を有し、半導体的特性を示すPr系酸化物(PBCO)をバッファ層として使用することにより、良好なa軸配向YBCO薄膜を得ることができた。特に、a軸配向YBCO堆積のためには、低温で堆積したYBCOテンプレート層の使用や基板温度傾斜法が有効なことを見出すと共に、成長表面へのレーザ光照射により、YBCO薄膜のa軸配向度を大きく改善することに成功した。 (2)PZT薄膜:PZTキャパシタ用電極として新しいTiA1N電極を提案し、当該電極上でペロブスカイトPZTを作製し、強誘電性のP-E履歴曲線を得ることができた。 (3)Bi:YIG薄膜:Ptでコートした熱酸化Si基板上で、Bi_<1.5>Y_<1.5>Fe_5O_<12>薄膜を堆積しアニールすることによりガ-ネット構造のBi:YIGを得た。その上に、Bi_3Fe_5O_<12>薄膜を堆積し熱力学的非安定相であるBi完全置換鉄ガ-ネット(BiIG)薄膜を得ることができた。この結果は、ガドリニウムガリウムガ-ネット(GGG)基板上以外では得られていないファラデー回転能の大きなBiIG薄膜が、廉価で大面積化可能なSi基板上で得られたことを示すものである。 なお、(2)、(3)については、今後、成長表面への光照射効果についても調べていきたい。
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