研究課題/領域番号 |
07555521
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三宅 正司 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40029286)
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研究分担者 |
木幡 護 東芝タンガロイ(株), 切削工具事業部, 主任研究員
緒方 潔 日新電機(株), 先端技術研究開発部, 主席研究員
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (80236108)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | イオンビーム / イオンビーム支援蒸着 / cBN / 界面制御 / 密着性 / 傾斜機能 |
研究概要 |
初年度の成果をもとに、平成8年度においては、cBN薄膜の実用化にむけた総合的検討を行い、イオンビーム支援蒸着法を用いた界面制御による密着性の改善効果ならびに実用特性に関する研究を行った。具体的には、1)界面制御による応力制御、2)薄膜の機械的の評価、3)実用基材上でのcBN薄膜合成ならびに実用特性の評価、の3点をサブテーマとしてとりあげ、実験的研究を遂行し、以下のような結果を得た。 まず、1)のサブテーマに関して、立方晶相を高い割合で含有するcBN薄膜と基材との間に10keVの高エネルギー窒素イオン照射を併用してBN中間層を形成し、その組成ならびに厚さに対する薄膜全体の応力変化を計測した。その結果、B/N組成比が10程度のボロン過多の中間層を用いることにより、cBN層単体の場合に比べて圧縮応力が1/5以下に低減され、剥離・破砕を生じない良好な薄膜形成が可能となることを明らかにした。 次いで、2)のサブテーマに関し、cBN層単体の場合と多層膜について薄膜の密着性と硬度の関係に着目して実験的に調べ、上記の中間層を挿入することにより、単層膜では剥離・破砕が生じてしまうような硬度においても高い密着性を保った薄膜形成が可能であることが明らかとなった。 さらに3)に関して、これらの知見をもとに高速度工具鋼あるいは超硬材料上においても、中間層を挿入することにより剥離・破砕のないcBN薄膜が合成可能であることを示すと共に、酸化腐蝕試験、各種硝子材料に対する化学的安定性、さらに高温での安定性等について実用試験を行い、中間層を挿入したcBN薄膜形成により良好な表面改質が可能であることが示された。
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