研究課題/領域番号 |
07555534
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
武田 要一 岩手大学, 工学部, 助教授 (30125603)
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研究分担者 |
山口 勉功 岩手大学, 工学部, 助手 (70220259)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 製鋼煙灰 / 塩化揮発 / 還元揮発 / クリンカー / 磁力選鉱 / 粗酸化亜鉛 / 脱銅 / 脱錫 / 製鉄原料 / 金属のリサイクル / 廃棄物処理 / 亜鉛の揮発製錬 |
研究概要 |
製鋼ダスト中に含まれる亜鉛、鉛、錫の非鉄金属とナトリウム、カリウム、および塩素を分離除去し、非鉄金属元素は非鉄原料として鉄分は製鉄原料として再利用するため、製鋼ダストの発揮分離実験を行った。その結果を次に要約する。 (1)ダスト中の銅は1000℃以上、酸化雰囲気下で、塩化カルシウムを塩化剤とする塩化揮発により揮発分離出来る。問題点は、鉄鋼ダスト中には通常炭剤が入っており、これを酸化しておく必要がある。この酸化雰囲気下における揮発で、鉛はほぼ完全に揮発分離する。ダスト中に多量に含まれる亜鉛も塩化揮発するようでるが、この揮発は不十分で、揮発率は20%程度であった。 弱還元雰囲気下(CO_2/CO比が3程度)、1000℃以上で、錫は塩化揮発し、最適条件下で錫の揮発率は90%であった。本実験で取り扱った非鉄金属のうち、錫の揮発分離が最も難しい。 (3)亜鉛は還元することによりよく揮発分離する。 (4)ナトリウム、カリウムは酸化及び還元雰囲気下いずれでも良く揮発するが、これらの元素の蒸発形態は定かでない。 揮発実験で残った鉄残渣中の鉄の品位は、実験に供したダストの種類にも依存し、40ないし60%Fe程度であり、これは製銑原料として利用可能であるが、製鋼原料としては品位が低い。還元揮発実験後の鉄残渣中の鉄の約80%は金属に還元されていた。鉄残渣中の鉄品位が低いので品位を上げるため、鉄残渣を粉砕し磁力選鉱を行った。これにより鉄品位を70ないし85%まで濃縮することが出来、その際の鉄の回収率は90%程度であった。この方法でダスト中の鉄を含む金属元素の多くを再利用することは理論的に可能であるが、その分離方法が幾分複雑で経済的に問題が残る。
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