研究課題/領域番号 |
07555597
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
伊藤 浩一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00023119)
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研究分担者 |
藪田 元志 関西ペイント(株), 技術研究所, 部長(研究職)
川口 正剛 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (00204694)
伊津野 真一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50158755)
薮田 元志 関西ペイント(株), 技術研究所, 部長(研究職)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | マクロモノマー / 高分子ミクロスフェア / 分散重合 / 乳化重合 / ポリエチレンオキシド / ポリメタクリル酸 / 粒子径理論 / 櫛形高分子 / ブラシ鎖 / 高分子微粒子 / 単分散ミクロスフェア / 立体安定化 / カルボキシル基 / 無公害塗料 / 両親媒性 / 分散、乳化重合 / 表面特性 / ミクロスフェア- / グラフト高分子 |
研究概要 |
本研究は、両親媒性マクロモノマーの特性を利用した高分子微粒子の設計合成を目的とした。スチリル又はメタクリラート末端および疎水性を高めるためにメチレン鎖をスペーサーとして導入したポリエチレンオキシド(PEO)またはポリメタクリル酸(PMA)マクロモノマーは、水、アルコール等の極性媒体中の疎水性モノマーの乳化・分散重合に有効な反応性(共重合性)乳化・分散剤として働くことが期待される。生成高分子微粒子に対して、系中、コモノマーとの共重合で生成したグラフト共重合体の側鎖マクロモノマーが微粒子の表面上に覆って立体安定化作用を担い、主鎖コモノマー鎖が微粒子へのアンカー作用を担うことが充分期待されるからである。本研究では、このような立体安定化微粒子生成の基本的な機構と理論を提案するとともに、さまざまな両親媒性マクロモノマーの合成と乳化・分散重合への応用を行い、マクロモノマー法による微粒子設計の基本指針を確立した。主な成果は次のようにまとめられる。 (1)PEOマクロモノマーは、スチレン、メタクリル酸ブチルの分散重合(メタノール-水中)に有効に機能し、サブミクロン〜ミクロンサイズの単分散微粒子を与える。粒子径は、共重合で取り込まれたマクロモノマー鎖が粒子表面を覆って立体安定化作用を担うことを仮定して基本的理論を導き、この理論とよく一致して、重合率の1/3次、モノマー濃度の2/3次、マクロモノマー濃度の-1/2次に依存して変化した。^1HNMR測定から、粒子上グラフト化したPEO鎖の形態変化も明らかにした。 (2)PEOおよびPMAマクロモノマーは、スチレンの乳化重合にも有用である。従来の乳化重合理論に加えて、マクロモノマーが反応性(共重合性)乳化剤として働くことを加味する必要がある。 (3)PEOマクロモノマーの水中ミセル重合の速度論を明かにし、得られる水溶性ブラシ鎖は疎水性の硬い芯棒と親水性の軟らかい毛から成る持続長の長い半屈曲性みみず鎖として記述できた。 マクロモノマー法による高分子微粒子設計は、設計原理、操作が比較的単純であり、広範な応用が期待される。
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