研究課題/領域番号 |
07555601
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
荒井 幸三 群馬大学, 工学部, 教授 (60008456)
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研究分担者 |
内藤 幸雄 花王(株), 生物科学研究所, 主任研究員
米山 賢 群馬大学, 工学部, 助手 (40230841)
篠沢 隆雄 群馬大学, 工学部, 教授 (30025449)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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キーワード | 水溶性羊毛蛋白 / ヘイックス含量 / 再生フィルム / 再生膜の力学的性質 |
研究概要 |
1.水溶性羊毛蛋白質の製造:羊毛繊維を0.2MTGA水溶液中50°C、1/3h還元後、尿素を加え8M溶液とし、さらに30°C、24h処理を継続してからこの溶液に0.3M濃度となるように臭素酸ソーダを加え、酢酸でpH7.0に調整し25°C、24h攪拌下に酸化処理を行なった。この溶液を透析して沈澱物を濾別し、濾液を凍結乾燥することにより水溶性カルボキシメチルアラニルジスフィド(CMAD)化羊毛蛋白を得た。収率は60%に達した。 2.CMAD蛋白の特性:(1)等電点法により分画した低硫黄蛋白(CMADL)及び高硫黄蛋白の収率はCMAD蛋白に対して、それぞれ67.1%及び3.5%また、相当する分子量は59,900及び7,300であった。このことからCMAD蛋白の大部分は羊毛ミクロフィブリル蛋白であることがわかった。(2)pH7.7の溶液中ではヘリックス含量はCMAD及びCMADL蛋白で、それぞれ23%及び31%であった。またpH11.35以上ではβ-turnに変化することがわかった。 3.再生膜の力学的性質:CMAD蛋白を水溶液からキャストし、還元に続いて酸化処理することによって水に不溶で透明な膜が得られた。これら膜の破断強度及び伸度は空気中でそれぞれ、4.0〜9.0×10^7(N/m^2)及び3.0〜5.0%、水中で1.0〜5.0×10^6(N/m^2)及び30〜90%を示した。水中弾性回復率は約70%に達し、分子間SS架橋の生成が示唆された。 4.CMAD化蛋白の応用:羊毛繊維表面に薄膜を形成させることにより、防縮性が付与された。
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