研究課題/領域番号 |
07555604
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
綱島 良祐 京都大学, 化学研究所, 助教授 (30089130)
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研究分担者 |
長村 俊彦 (株)ユニソク, 科学機器開発研究所, 所長
平井 諒子 (平井 諄子) 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (20156623)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ジブロック共重合体 / 選択溶媒 / 相分離構造 / ミセル形成 / ミセル内運動 / 小角光散乱 / 核-殻構造 / 相転移 / PS-PMMAジブロック共重合体 / ミセル構造 / ミセル内部運動 / 自己集合体 |
研究概要 |
1.ブロック共重合体溶液系において発現する相分離構造・相転移が広範な分子運動(緩和時間は10ナノ秒〜10^3秒程度の時間領域)の積み重なりであることに注目して、これらの運動を一挙に観測できる時間分割光散乱高速測定システムを組み上げ、同時に、セル室、データの取り込み、解析処理システムの設計と改良を行った。 2.試料溶液として高分子量スチレン(PS)-メタクリル酸メチル(PMMA)ジブロック共重合体(Mw=1.53×10^6,38.5wt%PS)/ベンゼン(BZ)-p-シメン(PC)混合選択溶媒系を選び、混合比や温度を変え(温度ジャンプ)て、発生する相分離構造・相転移現象とその過程で形成される種々の過渡的構造や分子運動をミセル形態のダイナミクスの観点から調べた。 3.通常の散乱角度域(30〜150°)での観測から、ジブロック共重合体は溶媒混合比に特有の核-殻二層型ミセル構造を形成するが、ミセル構造は分子内運動のため激しく変動し、ユニマ-(単一分子)とミセルの間にclosed association型の形態転移が存在することが分かった。 4.小角散乱域(5°以下)で上記の溶液系を観測し、これらのミセル構造がμ秒以下の時間間隔で生成・消滅を繰り返す過渡的な構造の一形態であることを確かめた。即ち、小角光散乱強度はランダムな時間間隔で1〜3オーダーにわたって、また、そのダイナミクスから算定される構造のサイズは1〜5オーダーにわたって激変した。この事実は種々の巨大会合構造が測定溶液内で時々刻々生成し消滅していることを示唆する。 5.ずり流動場での動的光散乱法を上記の溶液系に適用し、過渡的な巨大会合構造がずりなどの外力で簡単に崩壊する不安定構造であること、「散逸構造」類似の形成過程を経て安定構造に移るらしいことを見い出した。 6.20〜80℃での温度ジャンプ効果は上記の構造になんらの変化ももたらさないことが分かった。
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