研究分担者 |
村松 正和 上智大学, 理工学部, 助手 (70266071)
土谷 隆 統計数理研究所, 助教授 (00188575)
今井 桂子 中央大学, 理工学部, 助教授 (70203289)
室田 一雄 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50134466)
浅野 孝夫 中央大学, 理工学部, 教授 (90124544)
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研究概要 |
コンピュータによる最適化技法は,その適用範囲が広いことから,新手法の開発・発見は,非常に大きなインパクトを色々な分野に対して与える.本研究では,これまでに各分担者が独自に開発した線形計画法に対する内点法・計算幾何算法・マトロイド理論・論理関数理論を用いたシステム解析技法について,融合した共同研究を本研究を通して遂行することにより,新たな理論的成果を上げるとともに,そのソフトウェアシステムを開発することを目的とした. 本研究により,連続的な側面では線形計画の枠組を拡張した半正定値計画問題での内点法の拡張を行ない,離散的最適化の枠組からは離散凸理論の確立を果たした.これにより,線形計画問題と凸多面体を通して理解されていた連続構造と離散構造の橋渡しが,マトロイドや劣モジュラシステムなどをさらに拡張した枠組で可能になり,両方のアルゴリズム成果の融合が可能になった.この連続・離散の橋渡しを土台に,確率的手法を通した離散・連続アプローチの融合が実現した.具体的には,半正定値計画を論理式最大充足化問題に適用し,半正定値計画のレベルで連続値解を得た後,ランダム丸めすることにより離散解でよい近似解を構成し,詳細な解析を通して従来法を上回る近似性能の保証を可能にした.離散・連続の両面をもった幾何的最適化問題として辺長和最小3角形分割問題に取り組み,分枝切除法という連続性を活用した離散最適化のアプローチの有効性を実証した.離散システムの最も基本としての集合族を表現するモデルとして,論理関数処理法として注目されている2分決定グラフの理論を拡張し,集合族処理に適したアルゴリズムを開発するとともに,実際にシステムを開発して,その成果を広く公開している.
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