研究分担者 |
藤崎 渉 九州産業大学, 工学部, 助教授 (60238558)
森野 数博 徳山工業高等専門学校, 教授 (90099870)
陳 玳こう 東京理科大学, 工学部, 教授 (90217266)
田中 哲志 九州産業大学, 工学部, 教授 (40069547)
西谷 弘信 九州産業大学, 工学部, 教授 (20037708)
中島 克宣 レーザテック株式会社, 技術部, 部長(研究員)
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研究概要 |
破壊事故の大部分は疲労が原因といわれており,通常,部材表面に発生したき裂が成長して起こる.そこで本課題では疲労き裂伝ぱの評価法を確立することを目的とする.そのためには,広い範囲でき裂伝ぱ速度を規定する尺度を知る必要がある.これには相互に密接な関連がある次の二つが有力である. (A)き裂先端の厳しさを直接表す尺度でき裂先端付近の開口形状 (B)外力に基づく尺度で弾塑性計算によるき裂先端の代表塑性ひずみである.本課題で新たに得られた主な成果を以下に示す. (A)に関連して 1.走査型レーザ顕微鏡を用いたその場観察システムを構築し,疲労き裂開口形状観察に応用した. 2.各種疲労試験を行い,き裂伝ぱ速度とき裂開口形状の比較を行った結果,き裂き裂開口形状が,き裂長さ,応力レベル,負荷形式によらず疲労き裂伝ぱ速度を規定する尺度として有効であることを明らかにした. 3.熱処理材,予ひずみ材,パ-ライト系球状黒鉛鋳鉄とその基地材料の疲労き裂伝ぱ挙動の差をき裂開口量で説明できた. (B)に関連して 3.有限要素法による弾塑性計算で求めたき裂先端要素の塑性ひずみをそろえれば,き裂長さや小規模降伏条件か大規模降伏条件かによらずき裂先端近傍のひずみ分布,き裂開口形状がほぼ同じになること,ひいては破壊現象が同じになることを二軸応力問題に対して明らかにした.
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