研究概要 |
半導体パッケージとプリント基板との無鉛はんだ接合部の熱疲労特性を明らかにするため,Sn-3.5%Ag共晶合金の熱サイクル応力の作用下での損傷過程を室温でのピーリング試験で評価し,組織との関連を検討した.現行のSn-37%Pb共晶はんだについても同様に調べ,挙動の差異を比較した. 得られた結果を要約すれば以下のようになる. (1)ピーリング強度を見る限り,無鉛はんだ候補合金のSn-3.5%Agは,現行の共晶はんだ合金Sn-37%Pbよりも耐熱疲労性に優れる.ただし,熱サイクルなしの状態では,後者の方が前者より熱疲労抵抗が高い. (2)熱サイクルによるSn-37%Pb共晶はんだ合金の劣化は,組成の粗大化による靱性低下に起因する.組織の粗大化は応力集中の助けを借りて起こる. (3)ピーリング強度は変形速度に依存する.よって,意味のあるピーリング試験を行うためには,変形速度を指定する必要がある.
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