研究概要 |
意匠設計マスタモデルの非接触3次元形状オンマシン計測に基づいて生成したCADモデル形状の正当性を検証するために,加工モデルと意匠設計マスタモデルとの比較検討からCADモデルの評価が可能なCADモデル検証システムの開発を目的とした研究を行い,以下のような成果を得た。 1.非接触3次元エッジプロファイル測定センサの開発 高精度光リング式変位センサによって得られる光リング像に基づいたエッジ検出アルゴリズムを開発し,光線追跡法を用いた光リング強度の計算機シミュレーションおよびエッジ検出の基礎実験によってエッジプロファイル計測センサとしての有効性を示した。また,前年度に開発した非接触3次元オンマシン計測システムにエッジ検出センサを組込み,実際の曲線エッジプロファイル測定を試みた。 2.加工モデル形状処理アルゴリズムの構築 意匠設計モデルの高密度複合計測データによって生成したCADモデルに基づいて作成された実加工モデルを想定し,意匠設計モデルの計測と同様にして得られる複合計測点群データから計算機加工モデルへの高精度変換アルゴリズムの開発を行った。まず,エッジプロファイルを考慮したB-spline曲面とCoonsパッチを用いた形状処理アルゴリズムを構築し,さらに,エッジ輪郭によって分割された曲面を滑らかに接続するための,擬頂点を用いたB-spline曲線接続技術について基本アルゴリズムを構築した。 3.CADモデル形状検証システムの開発 意匠設計モデルと実加工モデルの複合計測点群データからB-spline曲線・Coonsパッチモデルへ変換した2つのCADモデルに対して,お互いの位置偏差,角度偏差,曲率偏差などを3次元表示し,比較検討することによって,CADモデルの評価が可能なCADモデル検証システムについての基本技術を開発した。
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