研究概要 |
99.85%純度のAl粉末をと99.5%純度のTi粉末をAl-12.4at%Tiになるように配合し,Ar雰囲気中で4mmφステンレス鋼球でステンレス鋼管の中で,配合粉末を高速遊星ボールミルによって機械的合金化を行った。 AlととTi混合のままの粉末のX線回折はAlとTiの回折線が現れるが,機械的合金化をするとTiの反射ピークはなくなり,Alの反射ピークを小さくなって,TiはAl中に過飽和に固溶していることが確認された。機械的合金化したAlとTiの混合粉末を1気圧で573Kと623Kに7.2ksec焼きなますと,X線回折で試らべるとAl_3TiのL1_2規則構造相が出現していることが分った。 一方高圧力下の2GPaで573Kと623Kで7.2ksec焼きなました粉末の固化試料のX線回折から高圧固化ではTi_8Al_<24>相の出現が確認された。このTi_8Al_<24>の格子定数はa=0.3927nm,C=3.322nmであった。また母相の結晶粒直径DをScherrerの関係をα-Al(III)に適用して,D=0.9λ/βcosθ,ここでλはX線の波長,θは反射角,βは(III)反射強度の半価幅,より求めるとD=12nmが得られた。以上のように機械的合金化粉末を比較的低温の573Kと623Kで2GPaの高圧力で固化すると過飽和固溶体のAlをこわすことなくナノ級の結晶体を充填密度98%で作成出来ることを確認した。
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