研究課題/領域番号 |
07555668
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
無機工業化学
|
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
細野 秀雄 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (30157028)
|
研究分担者 |
山形 茂 信越石英(株), 技術研究所, 室長
菱田 俊一 科学技術庁, 無機材質研究所, 主任研究官
植田 尚之 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00261123)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 透明導電体 / 透明導電性酸化物 / アモルファス半導体 / 透明電導体 / 酸化物導電体 / 薄膜 / ワイドギャップ半導体 |
研究概要 |
酸化物の大部分は光学的に透明であるが電気的には絶縁体である。可視域の透明性と高い電気伝導性の両方を兼ね備えた物質としてはIn_2O_3:Sn(ITO)とZnO:Al(AZO)などがよく知られている。これらの物質は透明電極材料や赤外線遮断コーティング材料などとして広く応用されている。最近、エキシマーレーザーを光源として用いる光リソグラフィーが半導体の微細加工として急速に立ち上がりつつある。このプロセスには紫外レーザー光を透過し、かつ高い電導性を有する材料が要求されている。本研究ではこのような背景から従来の透明導電性体よりもより紫外域の光を透過する新しい電導性酸化物の探索、成膜化、および特性評価をおこなった。以下に得られた成果を要約する。 (1)β-Ga_2O_3は約4.8eVと極めて大きな光学的バンドギャップをもつ。この単結晶を酸素分圧を制御した雰囲気下で合成し、室温で〜40Scm^<-1>という高い伝導度を実現することができた。また、この結晶の構造の異方性に起因した電導度、バンドギャップの方位依存性から、伝導パスと構造との関係を明らかにした。 (2)スピネル構造をもつMgln_2O_4バンドギャップ:3.7eV)の高周波スパッタ膜にH^+またはLi^+のイオン注入をおこなうことで、10^<-7>Scm^<-1>以下から〜10Scm^<-1>へ殆ど透明性を損なうことなく伝導度を飛躍的に増大させることができることを見出した。キャリアの生成効率は適当なポストアニール処理によりほぼ100%近くまで向上できることがわかった。 (3)CdO-GeO_2系のアモルファス薄膜にH^+のイオン注入をおこなうと室温の伝導度が10^<-9>から〜10^2Scm^<-1>に増大することを見出した。バンドギャップは約3.5eVであり、アモルファスの透明導電薄膜が創製できたわけである。
|