研究課題/領域番号 |
07556025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
長澤 透 岡山大学, 農学部, 教授 (60115904)
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研究分担者 |
池田 篤治 京都大学, 農学部, 教授 (40026422)
上田 誠 三菱化学(株), 横浜総合研究所, 主任研究員
中野 秀雄 (中野 秀夫) 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00237348)
山根 恒夫 名古屋大学, 農学部, 教授 (70026102)
MAKOTO Ueda Mitsubishi Chemical Industry (Ltd), Yokohama Institute, Research head
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | 位置特異的水酸化反応 / 6-ヒドロキシニコチン酸 / ニコチニル系殺虫剤 / d-アミノレブリン酸 / 3-シアノ-6-ヒドロキシピリジン / ニコチン酸脱水素酵素 / ピリジン環の水酸化 / 3-シアノピリジン / 6-ヒドロキシ-3-シアノピリジン / 2,5-ジヒドロキシピリジン / 6-ヒドロキシニコチン酸モノオキシダーゼ / 6-ヒドロキシニコチン酸モノオキシゲナーゼ |
研究概要 |
ピリジン誘導体は種々の生理活性物質の基本骨格となっている。最近開発されニコチニル系殺虫剤をはじめ種々のピリジン誘導体構造を持つ新規生理活性物質が医薬、農薬として最近開発されてきた。これらのピリジン誘導体の高純度の製品を安価に供給する場合に、従来の化学合成法では問題がある場合が往々にしてある。微生物反応の特性を生かしたピリジン環への位置特異的水酸化反応が注目される。水酸基の導入が出来れば、それに続く、ハロゲン化をはじめ種々の官能基の導入が容易になるからである。 我々は、この2年にわたる研究において、このピリジン環の位置特異的水酸化反応に焦点を当ててきた。まず、安価なピリジン環化合物として、ニコチン酸を取り上げ、ニコチン酸の6位を特異的に水酸化する微生物の検索を行い、Pseudomonas fluorescensをはじめ強い活性菌株を自然界より分離した。水酸化活性を高めるための培養条件を検討し、活性菌体を直接触媒的に用いる方法により、6-ヒドロキシニコチン酸生産の反応条件を検討した。その結果、ニコチン酸を100%近い転換率で水酸化し、6-ヒドロキシニコチン酸を200g/Lの著量蓄積させる方法を達成した。また3-シアノピリジンの6位を特異的に水酸化する微生物をも見出し、培養条件、反応条件することにより、著量の3-シアノ-6-ヒドロキシピリジンを生産蓄積できる方法を確立した。これらのピリジン誘導体は新規殺虫剤ニコチニル系殺虫剤の基本骨格として有用であり、高い転換率、生産性から、本微生物反応を用いた工業レベルでの応用が期待されている。 また、本水酸化反応を触媒する酵素系を解明するため、本酵素を精製単離し諸性質を明らかにした。本酵素はチトク-ム電子伝達系に連結する脱水素酵素によって触媒されることを明らかにした。本水酸化反応は菌体を触媒的に用い、基質と混ぜ通気するだけで極めて効率的に進行する。本脱水素酵素に対してチトクロームが電子受容体となり、これをチトクロームオキシダーゼ作用することにより本水酸化反応は進む。この反応系を上手く利用し、種々のピリジン誘導体に水酸基を導入することができる。この脱水素酵素はモリブデン要求性であることを明らかにした。本菌において、6-ヒドロキシニコチン酸はモノオキシダーゼにより脱炭酸的に水酸化され、2,5-ジヒドロキシピリジンを生成する。δ-アミノレブリン酸は化学合成が困難であり、極めて高価である。しかし、最近植物成長ホルモンとしての新しい機能が明らかとなり、安価な安定した供給が待たれている。この2,5-ジヒドロキシピリジンはδ-アミノレブリン酸へ容易に化学的に変換させることができることから、本モノオキシゲナーゼを用いた2,5-ジヒドロキシピリジンの生産法を検討した。培養条件の検討により、モノオキシガナーゼ活性の増強、反応の条件検討により、新規酵素的2,5-ジヒドロキシピリジンの生産法を確立した。
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