配分額 *注記 |
19,700千円 (直接経費: 19,700千円)
1997年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1996年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1995年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
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研究概要 |
家族性慢性難治性疾患であるアトピー性皮膚炎は世界的問題となっているが,その発症メカニズムは未だ解明されず,従って根治療法も確立されていない。本研究は,環境要因によってアトピー性様皮膚炎を自然発症するNCマウスを材料に,皮膚炎病変の形態学的特徴と特異的炎症反応の把握,免疫応答・調節とその特異性の解析,遺伝的素因の解析を実験計画の柱としている。そして,以下に示す知見を得ることができた。 1)活性化マスト細胞から産生されるサイトカインが,病態発現に極めて重要な役割を果たしていることが明らかとなった。とくに,IgE産生を誘導するIL-4の主な産生細胞が,病変部に多数浸潤したCD4陽性細胞だけでなく,マスト細胞であることが判明した。 2)IgE誘導にはTリンパ球上のCD40リガンドとBリンパ球上CD40結合,さらにIL-4刺激が必要であるが,NCマウスにおいてはCD40-CD40リガンド結合には異常はなく,Bリンパ球のIL-4感受性が著しく高いことが明らかとなった。さらに,皮膚炎発症マウスでは,IgE産生を支持するIL-4,-5,-6などの産生が顕著であることが判明した。 3)NCマウスの皮膚セラミド合成酵素の活性低下が判明した。従って,NCマウスの皮膚バリアー機能異常が強く示唆された。 4)NCマウスとBALB/cマウスとの交配試験によって,皮膚炎の発症は常染色体上に位置する一つの劣性遺伝子dermによって,さらにIgE産生誘導は常染色体上に位置する二つの劣性遺伝子(ieh1,ieh2)のよって制御されていることが明らかとなった。 5)皮膚炎発症NCマウスを用いて,免疫抑制剤であるFK506の軟膏連続塗布による皮膚炎の治療効果を調べた結果,塗布後2週間以内に皮膚炎のめざましい治療効果が確認された。
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