研究概要 |
浄水場から水処理廃棄物として排出する浄水ケーキを環境保線資材の素材として利用することを目的に,大気汚染酸性ガスを吸着除去する機能をもつ抑草資材として開発利用する研究を行った.その結果,以下のことが明らかとなった. 1.30mm程度に造粒した浄水ケーキの粒状乾燥物は高いはっ水性と透水性を示すこと,また,それをポットに充填した場合には底面や表面からの水分供給があっても吸水能が低く,乾燥表層の形成が発達し,非農耕地の抑草資材として望ましい性質をもつことが明らかとなった. 2.上記の浄水ケーキ粒状乾燥物(抑草資材)へのアレロパシー活性物質をもつ植物材料乾燥粉末(コーヒー粕,もみがら,モリシマアカシア剪定葉など)の混練は抑草効果を高め,その効果はイネ科よりも双子葉雑草に対して顕著に認められた. 3.宿根性雑草の抑制には上記の抑草資材と透水性をもつ生分解性プラスチックの併用が効果的であった. 4.また,上記の抑草資材はNO_X,SO_Xなどの大気汚染酸性ガスの吸収除去能をもつこと,さらにその機能は石灰処理した薬注浄水ケーキを材料とした方が高いことを認めた. 5.これらの研究から,産業廃棄物である浄水ケーキを非農耕地用の抑草資材という新しい環境保全資材の素材として再生利用できることを認めた.
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