研究課題/領域番号 |
07556093
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉山 政則 広島大学, 医学部, 教授 (30106801)
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研究分担者 |
熊谷 孝則 広島大学, 医学部, 助手 (70274058)
塩谷 光彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (60187333)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 抗癌剤 / ブレオマイシン / メラニン色素 / tacプロモーター / チロシナーゼ / インテリジェントベクター / 抗BLMAモノクローナル抗体 / ブレオマイシン結合蛋白質 / プロ-モーター |
研究概要 |
ブレオマイシン(Bm)は切れ味の良い抗癌剤であるが、一方で、肺線維症を起こしやすいのも事実である。それを回避するためには副作用のできる限り少ないBm系抗癌剤の開発が臨まれる。研究代表者はBm系抗癌剤を感知するプロモーター2種類を本研究期間内に発見し、それを利用して、Bm系抗癌剤を容易にスクリーニングできるシステムを以下のように確立した。先ず、平成7年度は、ベクターpMAB50を構築した。これは、β-lactamase遺伝子プロモーターの下流にチロシナーゼ構造遺伝子を配置し、かつ、BLMAをコードする遺伝子blmAを共存させている。事実、pMAB50を保有する大腸菌をBm存在下で培養すると、その大腸菌はメラニン色素を産生し、黒いコロニーを形成する。このように、pMAB50を保有する大腸菌を検定菌として利用することにより、Bmに加えて、ペプレオマイシンのようなBm系抗癌剤の存在を視覚的に判別できることがわかった。平成8年度は、Streptomyces antibioticus由来のチロシナーゼ構造遺伝子をレポーターとした、大腸菌で利用可能なプロモーター検索用ベクターpMX180を開発した際、興味深い現象を発見した。すなわち、pMX180中にチロシナーゼ構造遺伝子の上流にtacプロモーターを挿入することにより得られたキメラプラスミド(pMX180tac)を大腸菌細胞内に導入すると、その形質転換体はBm存在下でメラニン色素を産生した。このことは、tacプロモーターもまたBmの存在を感知してメラニン色素産生に関わるチロシナーゼ遺伝子の発現を誘導することを示唆している。このように、pMAB50やpMX180tac保有する大腸菌を検定菌として用いれば、大腸菌はBmを感知して黒色のメラニン色素を産生するため、迅速でかつ視覚的にBm系抗癌剤を判別できることがわかった。したがってこれらベクターを利用すれば、新しいBm系抗生物質をスクリーニングする上で、大いに役立つものと期待される。
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