研究分担者 |
羽賀 豊 岐阜県農業総合研究センター, 野菜果樹部, 科長
田中 逸夫 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10117161)
松井 鋳一郎 岐阜大学, 農学部, 教授 (30023451)
神野 浩司 岐阜県農業総合研究所, 野菜果樹部, 技師
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研究概要 |
温室の太陽-人工光併用型において、軟弱野菜であるホウレン草を用いて水耕栽培を行い、曇天時の太陽光を補光する場合の経済面と作物生育の効果的な方法について検討し、次のような結果が得られた。 1,葉菜類の光飽和点の設定値を250μmol/m^2/sとし、Na灯とHg灯から構成するツインランプを用いて、光質・光量のフイ-ド・バック制御システムを作成した。 2, 250μmol/m^2/sの光量をホウレン草に照射すると、約7時間後に気孔開度は狭くなり始めた。その後、青(B),緑(G),赤(R)色光を照射すると、450nmにピーク値をもつ青色光において気孔が開き始めた。 3,上記結果に基づき、日の出前の1時間R/B=0.9の水銀灯で補光を行い、その後は太陽光が設定値以下になる時、太陽光に人工光を加えた光質がR/B=3となるように人工光で補光を行った。補光時間帯は、一日の中の前半日補光区(全日補光区の設定補光時間の前半分)、後半日補光区および全日補光区とし、無補光区は生育の対照区とした。なを生育環境は温室内の温度、湿度、炭酸ガス濃度を制御し、養液管理はpH=5.5〜5.6, EC=2.4mS/cmとした。 その結果、前半日補光区は全日補光区と比べ、生育面においては生体重、乾物重ともに有意差は認められず、消費電力面では約30%の省エネとなり有効な方法であると判断した。
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