研究課題/領域番号 |
07556145
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅原 和夫 東北大学, 農学部, 教授 (20005672)
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研究分担者 |
篠原 久 東北大学, 農学部, 助手 (50178886)
太田 実 東北大学, 農学部, 教授 (00005670)
大竹 秀男 宮城県農業短期大学, 畜産科, 助教授 (20191942)
西脇 亜也 東北大学, 農学部, 助手 (60228244)
佐藤 衆介 東北大学, 農学部, 助教授 (80136796)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 酪農 / 低投入 / 家畜福祉 / 環境保全 / 草地 / 土壌微生物 / 土壌動物 / 植生 / 山地酪農 / シバ / 行動 / 土壌動物・微生物 / 低投入型酪農 / 乳生産 / 窒素付加量 |
研究概要 |
次世代の畜産技術に対するキーワードとして「低投入」、「持続性」、「環境保全」そして「家畜福祉」が一般的となりつつある。そこで、今後の酪農の技術的展開方向を、文献的ならびに実態調査的に検討した。文献的調査により、家畜中心地の中山間地域が条件不利地域で、そこでの酪農は国際的にも国内的にも比較的優位性を持ち合せてはおらず、新たな比較優位性のある産業の構築の必要性を強調した。それは、国土・環境保全機能、景観保全機能、教育的機能、アメニティの創出、地域社会維持などの社会的機能、歴史文化保存機能などを合わせ持つマルチパ-パス産業としての構築であろうと結論した。無施肥による放牧管理、濃厚肥料は無給与という低投入型酪農家2戸の実態を調査した。牛乳が4000kg/頭程度生産され、家畜の福祉性は大幅に改善された。環境汚染の、慣行の1/2-1/3(ドイツ酪農との比較)〜1/(12)-1/(16)(本州・北海道との比較)まで軽減された。しかし放牧地の生産性は低く、放牧地0.8ha/頭にもかかわらず、その栄養の寄与率は18%程度であった。草種は短草型に移行し、草種数は増加した。しかし、量的な尺度を入れた多様性では逆に単純化した。また、土壌中の細菌数は少なく、土壌動物相からも「自然の豊かさ」は高い評価は得られなかった。無施肥・無農耕肥料給与という厳格な低投入性は、草種および土壌動物・微生物の多様性を減じ、草地の生産性を極端に落とし、乳牛にも過大な摂食努力を強い、生産性、環境保全性、景観保全性、家畜福祉性との矛盾を生じる可能性が指摘された。そこで、濃厚肥料を1.1t/頭給与し乳量が6240kg/頭の、中庸の低投入型酪農を調査した。草地内の雑草は数%以内の被度であり、土壌微生物・ササラダニ類は数も種類も豊富で、自然度の高さがみられた。マルチパ-パスのバランスのとれた技術への方向性が明確化された。
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