研究概要 |
従来軸索輸送のような細胞内小器官の運動を光学顕微鏡で観察する場合,移動物体の解析は極めて難しく,多大な時間を必要とした.本研究の目的は,これを自動化することにより研究の合理化を図るものである. マウス上顎神経節培養細胞の神経線維内で輸送される粒子の動きをビデオカメラにて撮像し,一次的にビデオレコーダに記録後,カノ-プス社Power Capture/Vビデオインタフェースボードを介して,米国Gateway2000社のパソコンP5-120に入力し,ハードディスクレコ-デイングを行った。320×240画素・モノクロ256階調サンプリングで,Motion JPEG規格に従って画像を1/7に圧縮することにより,1秒間30フレームを記録することが可能であった.このときの画質の低下は軽微であったが,それ以上圧縮すると解像度が低下した.逆に圧縮率を下げると取り込み時にコマ落ちが発生した. 次にAdobe社Adobe Premiereデジタルビデオソフトを用いて,積算処理によるノイズの低減,エッジング処理による粒子の明瞭化,差分処理による固定物体の除去を連続して行うことが出来た.その結果直径1μm以上の大きな粒子を半自動的に速度計測することが可能になった. 本年度の目的は達成したが,今後の課題は,高速で容量の大きい記録媒体を見付けること,より小さな粒子を観察するために記録画素数を増やすこと,計測の全自動化に向けてのソフトウェア開発である.
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