研究課題/領域番号 |
07557044
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小俣 政男 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (90125914)
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研究分担者 |
金井 文彦 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
松村 雅幸 朝日生命成人病研究所 消化器科, 部長
多田 稔 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
白鳥 康史 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70196624)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
1997年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1996年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1995年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | AFP mRNA / 肝癌 / 膵癌 / 転移 / 変異ras / 遺伝子診断 / prospective / 肝細胞癌 / ras遺伝子 |
研究概要 |
1)肝癌検出におけるAFP mRNAの意義 研究目的に述べた方法により、肝癌患者の抹消血を用いて流血中肝癌細胞の検出を試みた。肝癌患者全体の52%の例にてAFP mRNAが陽性であった。陽性例では肝内の腫瘍体積、および血清AFP値が陰性例に比較し有意に上昇していた。また、遠隔転移陽性例においては100%の症例において血中AFP mRNAが陽性であった。 2)血中AFP mRNAの有無と患者予後との関連 当科に入院した81例の肝癌患者について平均33ヶ月、4年にわたり、血中AFP mRNAの有無と患者の予後をprospectiveに追跡し、肝癌患者の予後因子としてのAFP mRNAについて検討を重ねた。その結果、治療にもかかわらずAFP mRNAが持続陽性を示した例では生命予後が悪く、遠隔転移も高率にみられた。逆に治療によりAFP mRNAが陽性から陰性に変化した例では患者予後が良好であった。これらの結果より、AFP mRNA陽性は血中での肝癌細胞の存在を強く示唆し予後不良の徴である一方で、その陰転化は治療効果を反映するものと考えられた。 3)肝癌におけるras遺伝子変異 研究目的に述べた方法により、allele specific PCRを行ったところ、1万個の細胞中に1個の変異遺伝子を有する癌細胞が存在しても検出しうる高感度の方法であることが示された。実際、膵癌症例の膵液中においてもras変異が高率に検出された。しかし、多数例の解析の結果、膵癌以外の症例(胆石例や膵管の過形成例)にてもras変異が検出されることが判明した。したがって膵癌診断の精度を上げる目的で、変異rasを判定量する方法を開発し、膵癌、非膵癌症例を再解析した。膵癌では変異ras量はほぼ1-10%以上であるのに対して非膵癌疾患では0-1%であり、本法が膵癌診断に有用である可能性が示された。
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