配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1995年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)に対するT細胞応答を利用した新しい予防法,治療法の開発のための検討を行った.HLA B44を有する慢性C型肝炎患者末梢血中に存在するHCVコア抗原88-96アミノ酸をエピトープとして認識する細胞障害性T細胞株を樹立し、このCTLが抗原エピトープを認識するのに重要な,エピトープ上のアミノ酸の同定を行ったところ,HCVコア抗原88-96アミノ酸の9アミノ酸のペプチドの4番目,6番目がCTLクローンに共通して重要な部位であることが判明した.4番目と7番目のアミノ酸を野生型HCVのアミノ酸と異なったアミノ酸で置換して抗原性を高めることができるかいなか検討したが,1b型,2a型のHCVでは野生型の配列(NEGLGWAGW)より抗原性を高めることはできなかった.2b型の配列では,変異型として報告されているアミノ酸配列(NEGCGWMGW)を有するペプチドが最も抗原性が高かった.T細胞応答を誘導するには,HCV抗原を細胞内で発現するDNAワクチンが適当と考えられるが,マウスを用いてHCV DNAの投与法の比較検討を行ったところ,筋注2回投与ではCTL応答の誘導は認められず,筋注に電気的遺伝子導入を加えたもの,あるいはHCV DNAの脾臓内注射によりHCV特異的CTL応答を誘導することができた.しかしながら,ヒトにおいて電気的遺伝子導入あるいは脾臓内直接注射は非現実的であるので,より効率よくHCV抗原を発現するDNAワクチンを作製し,筋肉内あるいは皮内投与を3回繰り返すプロトコールでHCV特異的CTL誘導の検討をマウスおよびチンパンジーで行った.しかしながら,この方法ではCTLを誘導できず,HCV DNAコンストラクト,投与方法にさらに工夫が必要であるとの結果が得られた.
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